コロナという文字が生まれ、外に出られない、人に会えない、という今まで考えたこともなかったような状況に入った頃、私は母が昔弾いていたギターが目に入り、少しずつ触るようになった。

思い切って呟いた「ギター始めてみました」に届いた反応が心強かった

見よう見まねで始めたギター。好きな音楽をきき、ギターの音を探し、とにかく歌に合うようにひとりで黙々と練習する日々。
そんな日常のなか、私にはもうひとつ居場所があった。

それは、Twitterである。
自分の好きなアーティストへの愛を呟くアカウントをつくり、日々会えないなか、おなじアーティストへの愛を呟く人たちと交流していた。

そのアカウントで偶然ギターにふたたびはまる人たちがたくさんいた。
日々忙しく過ごしてきた人たち、しかし、突然外出が制限され“おうち時間”という言葉も生まれたからであろう。
だから私は呟いた。
「ギターはじめてみました。」

初心者は私の周りでは私のみ。
すると、その人たちからたくさんの「一緒にやろう。たのしいよ!」の声が。
とても心強かった。だからどんどんのめりこんでいった。
たくさん練習した。

オフ会で顔を合わせた男性は、友達よりも私に詳しい。不思議な関係だ

少しコロナが収まった夏ごろ、ささやかでほんの小さなオフ会があった。
そのなかでギター仲間の一人の4つ上の男性と顔を合わせた。
私が初心者であることを知ってるからであろう。「これをどうぞ」と初心者用のピックとカポタストをいただいた。

日々のこと、ギターの練習記録、アーティストへの愛、いろんなことを呟いているため、友達よりも多分私のことを知っている人。
とっても不思議な関係だな、と。

そこから、たくさんはなすようになった。
好きなアーティストも他も同じで、本も、気になってることも、好きなこともよくにていることを知った。

私はもともとピアノを弾いていた。
それも彼は知っていた。
だから「一緒にリモートセッションしませんか?」という誘いをもらい、わたしたちは2人でリモートでピアノとギターのセッションをした。
とても楽しかった。

コロナ禍だから、私たちは2人の時間を丁寧に楽しめているのかも…

それから数ヶ月DMのやりとりが続き、秋ごろ「ごはんどうですか?」というメッセージが。
とても驚いたが少しうれしくて、実際にごはんに行った時、会話は途切れることはなかった。

「迷惑かもしれないけど、好きです」と伝えられた。
私は異性が苦手だったのだ。これも以前呟いていた。
しかし、私は素直に嬉しかったのでOKした。
そこから私たちは付き合うことになった。

しかし、冬ごろから、感染者数は急増、何度か緊急事態宣言が出され、3ヶ月会えないこともざらだった。
しかし、私たちは週末にはzoomでギターやピアノのリモートセッションを楽しんだ。ギターも教えてもらった。

緊急事態宣言が明けると涙が出そうなくらい愛おしくて、まだまだ付き合いたてのような新鮮さがずっとあって、本当はイルミネーションやライブ、旅行とか定番のデートスポットとかに行きたいけれど、今の私たちは丁寧に二人の時間を楽しめているのではないかとおもう。
これがわたしたちカップルのコロナ禍の恋愛である。