彼と会えなくなって1年と8か月が経つ。
この先いつ会えるかは、まだ分からない。
でも、「希望を持ち続ければ必ず叶う」と私は信じている。

パンデミックにより国が封鎖。すぐに帰ってくるはずだったのに

私の彼は外国人。知り合ってデートを重ねて、順調にお付き合いを始めた。
外国人とお付き合いをするのは初めての経験で、英語に自信もなかったけれど、彼はそれ以上に安心感を与えてくれる存在だった。全てが順調だった。
しかし彼はすぐに家庭の事情で祖国に帰ってしまった。4か月程度の一時的な遠距離恋愛のはずだった。
彼は日本に戻ってくる予定だったから、クリスマス休暇もお正月も相手を訪ねることはしなかった。すぐに帰ってくるって、信じていたから。

そんな中、始まったコロナのパンデミック。
嫌な予感はしていた。
みるみる世界に広がっていくコロナ、毎日感染者や死亡者のニュース。対処の方法もコロナの威力も分からない。みんな怯えて、混乱していた。嘘の情報が出回って、買い占めが始まり、他人の行動に厳しくなり、イライラしていた。

そしてついに、恐れていた事態が起きてしまった。
国が封鎖。
絶望的な気持ちだった。あと少し、あと少しだったのに。
休暇中に彼を訪ねなかった自分を責めた。毎日何も気にせず遊び回っていた自分を責めた。
今まで人のことを考えず、我儘に振舞っていた自分に罰が当たったんだと、自分を責めた。
夏には落ち着くだろう、冬には落ち着くだろう、薬はすぐ出てくるだろう、ワクチンも出てくるだろう……毎日ニュースをチェックしては、元気になったり、落ち込んだりを繰り返した。
まるで映画の中にいる悲劇のヒロインになったかのような気持ちだった。

今まで当たり前だったことは、実は当たり前じゃなかった

「希望を持ち続ければ必ず叶う」ことがこんなに難しいなんて、初めて知った。
希望を持てば持つほど、焦って苦しくなってしまう。心の奥底がカーっと熱くなって、鼓動が早くなって、悲しいのかも分からない。自然と涙がこぼれ落ちてくる。
彼の笑顔・ぬくもり・安心感、が自分から遠ざかっていくかのように思えて、不安でたまらなかった。毎日のメッセージや電話でも安心出来ない。今すぐ隣にいてほしい。
でも、そんなことは一切叶わない世界。今まで当たり前だったことは、実は当たり前じゃなかったことに初めて私は気付いた。

私は一層彼の存在に感謝するようになったし、彼を大切にするようになった。
感謝も愛も惜しみなく伝えるようになったし、思いっきり尽くすようになった。
先が見えないながらも毎日連絡をくれて、遠距離恋愛を続ける努力をしてくれる彼。
国が混乱している中で、仕事を頑張って努力を続ける彼。
そんな彼を改めて誇らしく思った。
そんな彼を見て私も頑張らなきゃと、思った。

それでも私は前に進むことを絶対にやめない

勉強、趣味、運動、今までおろそかにしていたことを始めてみた。
また会える日に、成長して強くなった自分にまたもう一度恋に落ちてもらえるように、努力してみようと思った。
元々怠け者の私だから、そんなにすぐには全部は頑張れないし、気合いを入れすぎてすぐにエネルギーがショートしてしまうのも当然のこと。
元気がある日はニコニコ笑顔で頑張って、元気がない日は、不安になって泣いてヒステリックになって彼に喧嘩をふっかけて、大騒ぎ(笑)。そして、さらに落ち込む。

それでも私は前に進むことを絶対にやめない。
頑固なのかもしれないし、執着しているのかもしれない。映画のような状況に酔って自分に陶酔しているのかもしれない。それでもいいんだって思ってる。
私は彼のことを信じるし、私は私のことも信じている。
遠距離恋愛だけれど2人で築いてきたものは確かに存在するはずだから。
何年かかっても、きっと「希望を持ち続ければ必ず叶う」から。