コロナ禍の中お付き合いが始まって2か月の彼。彼からの積極的なアプローチがあり付き合うことなった。
医療従事者の私は、いつしか彼に自分のことを話すので精一杯になった
私は付き合うことにも、医療従事者だから少し迷った。彼に感染させる可能性が高かったから。しかし彼はリスクを承知の上で付き合ってくれた。嫌な顔一つせず、好きだよって言ってくれた。
蔓延防止法があったからデートの場所も時間も限りがあったけど、緊急事態宣言ではない少しの間デートを楽しんだ。2か月たち、やっとお互いの距離感、信頼が築けていた。
これから色々なことを一緒に経験しようね。お互いのこともっと分かっていこうねって言ってたときだった。
外食も難しいからお家デートが必然的に増えてきていた。付き合って2か月経つくらいの、お泊まりデートの後「またね、次に会えるの楽しみだね。仕事無理せず頑張ってね」って別れたのがついこの前。そのあと私の仕事も、彼の仕事も忙しくなった。
そんな中、私は自分のことを彼に話すので精一杯になってしまった。会えないから、電話やLINEで話していた。だから、彼の話してること、仕事のこと、彼からのsosに気づけなかった。
私自身も彼の負担に。これ以上重荷にならないよう、距離を置くことに
彼は見た目だけではわからない心の病になりかけていた。仕事に行きたくなくなり、人とも会いたくない、私と会うのも嫌になると。
知識ではコロナ禍で心の病が増えているのは知っていたのに、身近な人がなるとは、彼がなるとは考えていなかった。
私はそんな彼でも支えていけると思っていた。そんな人をたくさん看てきたから。
でも、彼から「全部が嫌なんだ。全部がプレッシャーなんだ」とLINEがきた。
気づかないうちに彼には私自身もストレスの一つになってた。
だから重荷にならないように「距離を置こう」と言うのが精一杯だった。彼の中でストレスがそれ以上蓄積されないように。衝動的なことに走らないように。
そんな中、再度発令された緊急事態宣言。発令されてホッとしている私もいた。会わない理由になると。でもいつまでもこのままではいられない。緊急事態宣言が明けてもコロナが収束するのはわからないし、彼の心の病が復活してきているのかも保証できない。
私はいつまで、待てばいいのだろう。ただ幸せになりたいだけなのに。コロナにかかった人を看護しながら、自殺未遂で運ばれた人を看ながら、どうぞ彼じゃありませんようにと願う日々。
貴方から教えられた愛を胸に、LINEの通知が鳴るのを待ってしまう
好きな気持ちを知ってしまったから、愛するってことを学んでしまったから、頼るってことを知ってしまったから、もう知る前には戻れないね。お互いに支え合っていければよかった。
私が貴方からのsosにもっと気づけていれば手を差し伸べられたのかな。貴方は苦しまなかったのかな。私はあなたの支えになれなかったんだね。そんな後悔ばかりが出てくる。
コロナのバカやろーと叫びたくなる時もある。
緊急事態宣言が開けたら、コロナが収束したら、私たちの関係も元に戻るのかな、それともそのままバイバイなのかな。「またね」ってほんとのお別れのつもりで言ったわけではないのに。最後の言葉になるかもしれないね。
私は毎日、看護をしながら、貴方のメンタルが良くなりますように、衝動的なことに走りませんように、コロナにかかりませんように、救急名簿に名前が上がりませんようにって毎日願ってます。
愛も、恋も、幸せという感情も知らなければよかったのに。全部貴方から教えられました。知った方が残酷だね。
それでも私は待ってしまう。貴方からの連絡をLINEの通知が鳴るのを。