就職先が地元に決まった私は、夏にベトナムへインターンに行った。大学生活の最後の夏に、何かしておきたいな、なんてふんわり思っていたからだ。
後は、異性とほとんど関わりを持たずに生活してきたこと、コミュ障でアルバイト先でも、サークルでもうまく人間関係を築くことができず、このまま社会人として仕事ができるのかどうか漠然と不安を抱えていたことも、おおいに理由としてはあった。

自分の直したい点を改善できるチャンスを活かせず、ふがいない気持ち

インターンは、日本からきた学生20~30人くらいが3~4人のグループにわかれて、ベトナムにある店舗の業務の改善を行うというもの。業務改善のプランは日本で事前に準備して、ベトナムには2週間滞在して実践を行うというものだった。
ケーキ屋さんと語学学校がフィールドとして選べて、英語に興味のあった私は、語学学校を選んだ。

4人グループ中、私だけが一人女、というグループ構成。自分の直したいところを改善できるチャンスがあったのにもかかわらず、数度の打ち合わせでもほぼ発言できずひたすら聞くということを続けてしまい、悔しい、ふがいない気持ちがあった。
いろいろあって、ベトナムでは3人になったのだけれど、現地では日本で考えていたこととは全く違って、言語も通じないし困ったことが多かった。そんな中でも、毎日店舗に行って、語学学校に来る人たちに聞き込みやアンケートなどを取って、日本で準備してきていた業務改善プランを練り直して考えた。
中間プレゼン、最終プレゼンで自分たちの案をまとめて発表しなければならなかったので、眠れない日々が続いた。とても暑かったこともあって、本当に毎日汗を流しながら試行錯誤を続けていた。
このインターンでは、コンペ的なことが最終プレゼンであって、優秀だと認められたプランが引き続き現地で採用される。でも私たちのグループは、不採用だった。加えて私の自分の課題だったことはほとんど改善できず、帰国することとなった。

異性のストレートなアドバイスが、自分の感情と向き合うきっかけに

苦い記憶しかほとんどないし、不完全燃焼感がすごく残るけれど、初めて、異性に自分の悩みを吐露したときに衝撃的な言葉をもらったことが、今も思い出として残っている。
「小学生のころにいじめを受けた経験や、親と関係がよくなかったせいもあって、あまり自分の感情を話すことはないし、何ならよくわからない時がある。自分の思い・考えをまとめるのにも時間がかかるから、発言もできひんことが多いねん」みたいなことを言った。
そうしたら、
「人格壊れてるんちゃうか?もっと自分の感情を見つめて、大切にしなあかん」
もう一人のメンバーも私が自分の考えを言わなかったら、
「また聞き役に回ってるやん、自分の考え言ってもいいし、聞くから」
みたいなことを言ってくれた。

女子に囲まれていたからか、ストレートな言葉を聞く機会がなくてちょっと傷ついたけれど、それらの言葉があってから、「自分の感情」に少しずつ向き合うようになってきた。

短い期間だけど、人生に影響を与えた人に出会えた経験は、青春の一幕

たった1か月前くらいに出会って、2週間過ごすだけで、短い期間だったけれど、自分の生きてきた中で結構大きな影響を与えてくれた人たちに出会えて、インターンをしたという経験は、自分の中の大切な青春の一幕となっている。

同じグループだった人も、違うグループだった人も、うっすらとインスタとかFacebookとかでつながっていて、会社を立ち上げたり、団体の代表になったり、ベンチャー企業で第一線に立って活躍していたり、自分の目標に向かってキラキラ輝いてがんばっている人が多い。
その人たちの活躍を自分は遠くで眺めているだけだけれども、その人たちの活躍を見て、自分も頑張らなきゃな、と自分を奮い立たせている日々を今は過ごしている。