忘れたくても忘れられない、人生で初めて別れ話をされた夜

あの日の夜に別れ話があったから……。
あの日の夜を全て話せるかと言われたら、言葉一つ足らずとも話すことができる。
忘れたくても忘れられないあの日の夜……。

別れ話って、なんで夜にされちゃうんだろう。私はあの日の夜があったから、6月の夜が嫌いになった。付き合う時は、夜景見ながら一緒にご飯を食べて、そのあと告白。ある程度好き同士でいたからこそ、「NO」という2文字を言う余裕なんてなかった。すごくすごく幸せだった。
しかし今回は違う。別れ話だ。予期もしていなかった別れ話。人生で初めての別れ話。
その日の夜は3年経った今でも明確に覚えている。彼のこと相当好きだったんだろうなぁ……。

ただ隣に居続けてくれた心温かい彼。隣でただひたすら泣いた私

いつもならクールぶってる私だが、その日だけ、産まれたての赤ちゃんみたいに大泣きした。人ってこんなにも涙出るんだっていうくらい、大粒の涙が出た。呼吸も乱れた。
1人で泣かせて欲しい、気持ちの整理させて欲しいと言って、外に出てくれた彼。1人、部屋の中でただただ泣いていた。
何時間か経って、いてもたっても居られなくなった私は夜中に親友に電話した。泣いている声を聞いた親友は「今から行くから、待ってて」と言って、電話を切り、すぐに迎えに来た。

迎えに来た後もただただ私は泣いていた。親友は、泣いている私の隣にずっといてくれた。「何があったん?、どうしたん?」とも聞かず、ただただ隣にいた。ラブストーリー的には、隣にいてくれた心温かい彼(親友)のことを好きになりそうだが、そんな余裕もなく、ぐしゃぐしゃの顔になりながらずっと泣いていた。
その日は朝までずっとひたすら親友の隣で泣いていた。

あの夜は人生の転機。元彼さん、別れ話を切り出してくれてありがとう

今思うと、その日の出来事がなければ、私はこんなにも強くなっていない。彼との人生しか考えていなかった私は、自分のやりたいことを考え、今実行できている。

あの日の夜がなければ、私の人生どうなっていたんだろう。
もしかしたら、今別れを切り出されていたのかもしれない。
もしかしたら、結婚していたかもしれない。

幸せなこと。幸せにはなれないこと。どっちも考えてしまうが、あの日の夜に別れを切り出してくれたからこそ、今、自分の好きなことができている私がいるんだと思う。そう、私にとってあの日の夜が人生の転機だったのかもしれない。
最後に、別れ話を切り出してくれてありがとう。元カレさん。そして何より、あの時は泣かせてくれてありがとう。親友よ。