今年の夏。それは、今まで生きてきた中でいちばん苦しかった。
苦しいといひとことで言ってしまえば単純だが、こんなにも苦しい日々を送る時が来るとは、正直、自分自身がいちばん想像出来ていなかったと思う。
徹底的に被害妄想を止めることができない、被害妄想女子の私
1人暮らし。常に孤独。刺激になるようなイベントも全てコロナで消えた。出かける場所もない。一緒に出掛ける人もいない。
街を歩けば、仲睦まじく歩くカップルになぜか無言で負け組と言われているような気がして、そんなことは被害妄想に過ぎないのだが、そんな感情を味わうことがとんでもなく苦しくて、街を歩くことさえ嫌になった。
仕事はあるが、目標が見いだせない。仕事場で聞く、他の人の家族との話を聞くたびに、私は1人つまらない休日を送っていることを半ばあざ笑われているような気がして、仕事以外に自分を必要とする人がいない現実が辛すぎて嫌だった。
誰もそんなことを直接自分に言ってくるほどに意地悪ではないのに、私は徹底的に被害妄想を止めることが出来なかった。
残業せずに早く家に帰っても、1人孤独な時間が待っているというだけ。被害妄想女子だということを他の人には到底言えないが、この現実はきっと家族持ちの人には分からないと思う。
かわいそうな自分がいることが生きている証と自分に言い聞かせている
「逃げたかったら逃げなさい」とかいう言葉さえ、逃げ道がどこにもない人はどこに逃げろというのだ、と反感する気持ちしか沸かない。今、私は現実が苦しくて仕方ないけど、ただ単に逃げ道がないから現実を生きているだけだ。
もう苦しくて仕方ない。なんでこんなにも自分と向き合わないといけないのか分からない。向き合った先にどうせ何もないのに。
なんで自分のまわりにいる人が幸せで、私はそうでないのだろう。比べる必要のない他人と勝手に比較しては、かわいそうな自分がいることがきっと自分の生きているという証だと自分に言い聞かせているのかもしれない。
そんな夏も終わろうとしてる中、また1つ悲しい出来事があった。目標としていた先輩が退職した。また1つ、私は目標を見失ってしまった。
最後にかかってきた電話からは、変らない素敵な声と自分の話を聞いてくれる純粋に好感しか持てない姿勢が伝わってきて、胸が張り裂けそうになった。
しばらくこの闇から抜け出せなさそうだけど、時間が止まることはない
ずっと目標にして追いかけてきた背中をもう見ることが出来ない。目標とか憧れもあったけど、単純に、人としてたぶん好きだった。ストレートに言えばそういうことだが、その気持ちを伝えることは最後まで出来なかった。
後悔がないといったら嘘になるが、どうせもう追いかけることの出来ない背中なら、最後に自分の気持ちを伝えたほうが良かったのだろうかと、今さらどうしようもないことを考えている。
苦しいことが続いているような気がする。きっと私だけではないのだろうが、しばらくこの闇から抜け出すことは出来そうにないような気がしている。
何をモチベーションにして生きていったら良いのだろうか。何を楽しみに頑張れば良いのだろうか。誰か教えて欲しい。なぜ、私はこんな現実を生きているのだろうか。
そんな夏だった。マスク越しにすれ違うのが当たり前になった今。目しか合わないせいか、すれ違う人ににらまれている、と思うことが多くなった。
もう、今の私にはにらみ返す気力もない。勢いよくこいでいた自転車のべダルも、今はフラフラと風に流されそうになる。
そんな苦しい世の中だけど、明日も明後日も、時間が止まることはない。