皆同じようなスーツを着て、髪色も髪型もほとんど同じにして、普段の自分をぼかす。メイクも就活用に変える。
こんなので本当に「私」という人物が伝わるのだろうか。個性を出せばいいのか、目立ち過ぎない一般的な人になればいいのかわからなかった。
大学のキャリア支援の方に言われるままに、鏡の前でマスクをしていても印象が良く見えるように笑顔の練習をした。履歴書も手が痛くなるほど書き直した。履歴書を送る時には、受かりますようにと心の中で手を合わせた。就活をしている私は、自分らしいような自分らしくないような、そんな不思議な感覚だった。
就職先の他者評価、落ちたら人生終わる説。自分軸で挑めなかった就職活動
去年の今頃は私も就活が終わっていたし、友達も落ち着いてきている頃だった。なんとなく表情を見ながら、「どこに就職するん?」と聞いて情報収集したりされたりの繰り返し。
私は田舎の病院に就職する予定だった。そのため、病院名を伝えると反応に困ったような気を遣っているような曖昧な返答をされることが多かった。
私は自分に自信がなくて、就活も楽な方に逃げてしまったことと、田舎で就職するという謎の敗北感で就職先を答えるのが恥ずかしかった。実際は、内定を頂いた時に泣いて喜んだくらい行きたかった病院なのに。
こういう時に見栄を張ろうとするのは私の汚い人間味が出ている部分だと思う。
去年の私にメッセージを送るとするなら、「田舎が悪いんじゃない。自分の弱さが悪いんだよ」だと思う。
就活に卒論に国家試験と課題は山積みだったけど、そんなの皆同じ条件だ。それなのに、競争が怖くて気になる病院にチャレンジもしないで就活を終わらせた。
心残りがあるから、人に堂々と就職先を言えないんだよ。逃げた自分の恥ずかしさを田舎のせいにするんじゃないよ。
一般的に有名な病院がいいとか、都会のきれいな病院がいいという意見はあるし、私もそう思う。でも、結局働くのは自分なのだから、人の意見に振り回されるべきではないよと。
臆病な私さん、失敗は恥ずかしいことじゃないよ。
落ちたら次を探せばいいだけ。受からなかったらどうしようって安全策ばっかり立ててたけど、そんなに心配しなくても大丈夫。普段通りの私で行けば大丈夫。
それに、「落ちたら人生終わるみたいな意気込みでいるけど、人生そんな簡単に終わらないよ」って未来の私が言ってるよ。
本命就職先が「完璧」とは限らない。自分の声をよく聞いて
いつもは心配性な私がなぜこんなことを言えるのか。それは今、転職活動をしているから。
ここしかない!と思って就職しても、働き始めるとやっぱり違うなんてことはよくあること。だから、1つだけを選ぼうとしたり、執着したりしなくていい。
世間体を気にするんじゃなくて、自分の声を聞いて。周りに流されず、私らしさをだして大丈夫。ガチガチな考え方はやめて、肩の力を抜いて楽に考えてみよう。その方がずっと良い。
就活を始める前にこういう考えに気づけていたらよかったなと後悔する。でも、これは就活を終えたからこその気づきだと思う。最初から思う存分就活をしていたら、こんな苦い思いも出てこなかったはず。
同じ失敗をしないように、これを読んでくれている誰かとか、今現在転職に焦っている私自身へこのメッセージを送りたい。