私が仕事を失ったのは、新型ウイルスコロナ禍に入る以前だった。
理由は休日も地域のために動かされ、休めなかったこと。結果鬱になってしまい、辞めてから2年近く、就活なんて考える余裕も持てなかった。
ようやく体も心も回復した頃にはコロナ禍が始まっていた。

「障がい」というレッテルが邪魔をし、就活が進まず焦り、鬱に

この影響で募集されている仕事が激減したことに加え、私の住んでいるところは所謂「田舎」。
出ている求人には私が出来そうな仕事がひとつもなく、求められるのは「大学卒」「資格持ちの人」ばかり。
私にはコロナ禍以前に患った鬱だけでなく「発達障がい」も持っており、いくら軽度といえど、応募する以前の連絡で「応募しないで欲しい」と忌避される対象そのものだった。いくら何を頑張っても必ず「障がい」というレッテルが邪魔をする状況に、いつしか就活の意欲もやる気も自信も全てなくしていた。
お金はなくなっていき、生活が困窮しだした。それが強い焦りを生み出し、何をしても空回りするようになっていた。趣味を楽しむことさえままならなくなった。今度は仕事がないが故に鬱になってしまった。

そんな中、家族の勧めで、就職支援施設と障がい者への相談支援を行う施設へ通えることになった。
これはとても大きくありがたい出会いで、施設を利用するたびに私には何が出来るのか、何ができないのか、今まで長く休んでいた自分がどこまで頑張れるのかを学べ、向いている仕事がわかるようになった。自分とまっすぐ向き合うことが出来た。仕事を辞めてから2年経ち、ようやく仕事への自信を取り戻すことができた。
「私は私の向いている仕事で働きたい」と希望を持ち、仕事を探しに向かった。

都会だけでなく田舎も、世の中の考え方を変えていかないといけない

あれから何度も就職へチャレンジしたものの、アルバイトでさえ全て落選。
障がいのせいか、書類選考以前に断られることも依然続いていた。
私はこんなに働きたいのに、働くことができないのは何故なのだろう。
ここまで続くと企業側にも何か問題があるのではないかと思い至った。
そういえば、車を運転するためにスーツのスカートを履いて行っていなかった。身だしなみはきちんとしている。性別や服装で判別されているのではないだろうかと考えたくもないことがよぎる。

確かに大学卒や国家資格に等しい資格を持っている人が優遇されているのは事実で、「女性はこうでなくては」「男性はこうでなくては」という考えもまだ色濃く残る。ならば、服装、障がい者である、女性または男性である、という理由で人を見られていると考えてしまうのはおかしくない。そんな時代遅れの世の中がまだすぐ身近にあることに愕然とした。
就活に沢山苦労したからこそ言える。世の中の考え方も変えていかないといけない。都会だけではなく、田舎も。

いつか仕事をする事になる若い世代が困窮している時、就労支援施設へスムーズに助けを求めることができる世の中になってほしい。私が目の当たりにした服装や性別での苦労や無理はさせたくない、してほしくない。

今、沢山の人が沢山の問題に立ち上がっている。私も障がい者の1人として、女性の1人として、今の田舎の就活に未だ根付く実態に声を上げていきたい。