かっこいい!!!!
小学生の頃、ヘディングシュートを決めた中澤佑二選手をテレビで見て、心を奪われた。
一瞬の出来事だったけど、とにかく中澤選手の周りがキラキラと輝くのが見えた。
それから国際試合があるたびに、テレビの前に座りこんで応援した。子どもにしてはずいぶん渋いチョイスに、同級生からはよくからかわれたけど、わたしはなんと言われても中澤選手に夢中だった。

中澤選手を応援し、情報を常にチェック。知れば知るほど心が熱くなる

中澤選手は努力の人だった。学生時代、プロから声がかかることはなく、高校を卒業した後も母校で後輩たちにまじって練習していたそうだ。
とてつもない努力と小さな偶然の積み重なりでプロになり、日本代表にまでのぼりつめた。試合を見ているとサッカーにかける情熱とか、愛情とかがひしひしと伝わってきて、わたしも心が熱くなった。

それから数年たち、わたしは短大生になった。
相変わらず中澤選手を応援していたし、ブログなんかもすみからすみまでチェックしていた。
安室ちゃんがすきなんだ~。わたしも髪をのばそう。
ディズニーランドが好きなのか~。わたしも行きたいな。
といった具合で、ストーカーのようになっていたのだけど、さらにスターバックスが好きだと知ると、わたしはすぐに近くの店舗のアルバイトに応募した。スタバで働けばいつか出会えるのではないか。という期待があった。

不純な動機だけど、好きなものを熱く語る姿は採用につながった

面接で志望動機を聞かれた際には、中澤選手について熱く語っていた。
採用された。
最初に仕事を教えてくれた大学生の先輩にどうしてここで働こうと思ったか聞かれて、「中澤選手に会いたいからです」と答えると、「不純な動機ですね」と言われてしまった。
確かにその通りだ。どうして採用されたんだろう。
これは後から聞いた話だけど、好きなものを熱く語れるということは、商品の魅力をお客様に伝えることもできるということだと捉えたのだそうだ。
社会人になってから、まったく違う分野の営業をすることになった際、やはり上司から言われた。
「商品をお客様に勧めるなら、まずは自分がその商品を好きになれ」
愛したものの魅力は、言葉以外のところからひしひし伝わるのだと思う。中澤選手から溢れたサッカーへ懸ける気持ちが、わたしの心を動かしたように。

全く違うタイプに惹かれ、影響されるのだから、出会いっておもしろい

結局中澤選手に会うことはできなかったけど、スターバックスでのアルバイトはわたしにとってなくてはならない経験だった。いろんな出会いがあったし、いろんな学びがあった。
導いてくれたのは尊敬する中澤選手。
あの一瞬のヘディングシュートだ。
ちなみにわたしはストイックな中澤選手とは正反対だ。
ひとつの事に挑戦しつづけ、努力努力努力と努力を積み重ねてめぐってきたチャンスをつかみとる!そんな姿に憧れたし、心からかっこいいと思うけどわたしは全く違う。
やりたいことはどんどん変わるし、自分に甘く生きてきた。
それはそれで気に入っているし、だからこそ中澤選手に強く惹かれるのだろうと思う。
どちらにしても、そんな怠け者のわたしが強く影響を受けたのはストイックな中澤選手だ。
出会いっておもしろいなと思う。