今、ここに生きていること。自分に素直に生きられていることを2021年3月の自分に、自慢したい。
2021年1月、私は退職のいざこざのストレスでうつ状態になった。社会人1年目にして休職を余儀なくされた。それからすこし経った2021年3月、うつ状態が悪化。それからはまるで地獄のような日々だった。

自分の本当の感情を押し殺す生活。どうにか自分に誇りが持ちたかった

これまでの人生のなかで私は、「いい子でいなきゃ」という固定概念に囚われて生きてきた。そのため本当の自分の感情を押し殺して、偽って、人と接することも珍しくはなかった。
うつ状態が1番ひどくなった3月。死にたい気持ち、自分の過去を責める気持ち、色とりどりな暗い感情が私を支配した。自分の感情がごちゃごちゃになったわたしは、家のなかの物を壁に向かって投げた。こんな自分になったのは初めてだった。それほどどうしようもない感情に押しつぶされそうで、1人で泣いた。

ある日、すこしだけ体調が良かった日、友達と電話をしていた。私にとっては貴重な、自分の心の内をお話をできる時間。現状を話して、親身になって聞いてくれた友達の姿勢が嬉しかった。
でも、人の前ではやっぱり顔色を伺っていい顔をしてしまう。人の前では不安を隠して、笑っている。正直に感情表現ができない自分が嫌だったし、自分の感情を無いものとして生きていくのが悲しかった。

「どうして不安なのに、笑っているの?」
「どうして身体は重いはずなのに、外に出るの?」
この矛盾した感情が、私を蝕んでいくのがわかった。うつ状態を克服して、どうにか自分に誇りをもって、胸を張って生きていきたいと思った。

感情を吐き出し、自分に向けた言葉を日記を通して贈ることに

人の前だと気持ちを隠してしまう私は、毎日日記に自分のありのままの感情を吐き出した。
日記を書く時間は、私が私を労って大切にできる愛おしい時間。そう思って日々書いていくうちに、自分のもっている感情の正体がだんだんとわかってきた。

そして自分の感情を書くのと同時に、自分に向けた言葉を贈ることにした。
「心がざわつくものからは逃げていいんだよ」
「自分らしさは決めるものじゃなく、溢れ出るものだよ」
「いい子じゃなくても、私自身に価値があるよ」
当時の日記を読み返してみると、そんな言葉が書かれていた。今読んでもとても安心する言葉たちは、何度も何度も自分に贈ることで、だんだんと私の中に刻み込まれていた。

ゆっくりと時間をかけて、私の中の傷は癒やされていった。私はありのままでいても十分に価値がある存在であって、自分の感情にも嘘をつかなくていい。そう心から思えるようになった。

感情を書き留める日記を続けることで、自分の心に素直になれた

半年間の休職期間を経て、体調が良くなったのと同時に、自分の心により素直に生きられるようになっていた。日記を通して、感情をありのまま表現したり、自分を労る言葉を贈ることができた結果だと思う。
それからすこし経った今でも、感情を書き留める日記は続けている。自分を好きになる努力、自分に素直になる努力。そんな愛おしい努力を、続けてきて心から良かったと思っている。

不安なときは不安だと、やりたくないときはやりたくないと、心に素直になって言えるようになった。それは我儘とはすこし違うと思っていて、自分自身を愛して弱さも認めることで、大切な人とも心から繋がることができると思うからだ。

うつ状態になったことで、心の素直さを得ることができた。そのことを、2021年3月のつらかった私に自慢してあげたい。それはきっと、当時の私にとっての希望になると思うから。