コロナウイルス感染拡大の影響で友人と満足に出かけられずに月日が過ぎ、いつの間にか大学3年生の夏になっていた。
「インターンシップのプレエントリー開始!」「合同説明会開催!」といった文言が目に付くようになり、友人との会話でも「自己PR何を書こう」「ガクチカどうしよう」と就職活動について話題にすることが増えていった。
そして私も、変わっていく周囲に合わせるように就職活動を始めた。

ある日、手元のスマホに知らない番号からの着信があった。いつもは用心深く電話番号を検索してからかけ直すのに、その時は咄嗟に電話に出てしまった。電話を受けると、「ぜひ、逆説明会に参加してみませんか?」という長期インターンシップを行っている会社からの勧誘だった。怪しいものではなさそうだったので、話を聞いてみることにした。
逆説明会というのは、通常の会社説明会の逆バージョン、つまり自分を企業にアピールして興味を持ってもらえたら、インターンシップや面接に進むことができるイベントであるとのこと。とにかく何かしなきゃと焦っていた私は藁にも縋る思いで、「ぜひ参加させてください」と返事をした。

なぜ、就活に熱心に取り組むのか。すぐに返答できず、考え込んだ

イベントでは、PowerPointの資料を使いながら自分をアピールする。その後、会社の人事の方からフィードバックをいただく。そのうえで、「もっと話したい」と思っていただけたらその後の座談会に呼ばれるという流れだった。
私はこのイベントに2回参加し、2回目では1回目にいただいたフィードバックを踏まえて工夫を凝らしたプレゼンをした。
そして、その2回目のイベントで頂いたフィードバックで印象に残った質問があったので、共有したい。

「シトラスハーブさんは、なぜそこまで就職活動に熱心に取り組まれているんですか?」

「え……?」
思いも寄らぬ質問に私はすぐに返答することができず、考え込んだ。
たしかに、まだ就職活動を始めていない人もいるし、始めていてもこのようなイベントに参加するのはかなり意欲的だと受け取っていただけたのだろう。
でも、たしかに……なぜ私はこんなに就職活動に一生懸命になれているのか。別に適当に就職して、適当に働いて。それでもいいのに。

勉強も就活も、自分で納得し選びたい。就活への強い思いに気づいた

「なぜ今こんなに頑張っているのか?」「後悔したくないから」「なぜ後悔したくないのか?」……と、自分の中でなぜを繰り返していき、私は就職活動に対する自分の強い思いに気が付いた。
「私は後悔のない選択をしたいんだ。大学を選ぶとき、学びたいことを真剣に考えた。だから今、勉強することがとても楽しい。それと同じように、ファーストキャリアも、自分が納得したうえで選びたいのかもしれない」
そして、それをそのまま伝えた。すると人事の方に、「シトラスハーブさんがどのような思いで参加されたのか非常によくわかりました。ぜひもっとお話したいです」と仰っていただくことができた。

就職活動を始めるきっかけは人それぞれだと思うし、思い入れも違うと思う。でも、これから就活をする人、そして何かを決断しようとしている人も思い返してみてほしい。後悔のない選択ができたとき、それまで悩んで、歯を食いしばって頑張った自分は必ずいたはずだ。
だからきっと、今回も同じように真剣に悩んで、一生懸命になれたならきっと大丈夫、自分の行くべきところに行ける、と思って今日も私は就職活動と向き合っている。