自分の就職活動について成功か失敗か振り返ってみると、失敗だったように思う。はなから大学院に進学するつもりのなかった私は、もともと3回生になったら就職活動を開始しようと思っていた。
だから3回生になってすぐ、マイナビやリクナビのサイトに会員登録し、地元の企業について調べた。気になった企業については、休みを使って説明会やインターンシップに参加したりもした。

就活の為の勉強をやらなきゃとは思っていたものの、先延ばしにしていた

だがその一方で、大学で行われるマナー講座やSPIの勉強会、面接の講座にはほとんど参加していなかった。マナー講座や面接は市販の冊子を元に独学でやれば大丈夫と考えていて、またSPIの勉強については、やらなきゃとは思っていたものの、全くやる気が出ず、先延ばしにしていた。
それに加え、私は大学でこれといって力を入れたものもなく、特別やりたい事もなかった。ただ、地元に帰って就職できればそれでいい……そういう考えしか持っていなかった。そういった点がよくなかったのだと思う。

時間だけが過ぎていった。
「何もやっていない訳じゃない。大丈夫、大丈夫……」
そう自分に言い聞かせて。3回生の冬になり、母から公務員試験も受けることを勧められた。公務員になりたいとも思っていなかったが、その勉強も開始した。

さらに月日は流れ、私は遂に4回生になってしまった。周りでは、就職先が決まったという子もちらほら出始めていた。私も3社程の企業の採用試験を受けたが、いずれも一次で不採用になってしまった。
「当然だろうな……大して力を入れてきた訳じゃなかったし」
その時はあまり落ち込まなかった。まだ次があるからと、自分に言い聞かせて。公務員試験も筆記で落ちてしまった。

ある企業に就職したいと思い、勉強や面接の練習に力を注いだが不採用

その後、ある企業の採用試験を受けた。その企業は土日祝休み、自宅からも通いやすい所にあり、またお給料も良い方だった。私はここに就職したいと思い、勉強や面接の練習にこれまで以上に力を入れた。
そして、迎えた採用試験当日。面接は緊張したが思っていたよりも話すことができ、終始和やかな雰囲気であった為手応えがあった。ところが結果は……不採用だった。

それまで就職の事であまり落ち込まなかった私だが、この時だけはかなり落ち込んだ。親は励ましてくれたが、数日間ショックから立ち直れなかった。

その間にも、周りの子や親しい友人達はどんどん就職先が決まっていって……気付いたら取り残されていた。私は焦りを感じていた。だが、焦れば焦る程上手くいかない……。

秋になり、藁にもすがる思いで、ある法人の採用試験を受けることにした

とうとう10月になってしまった。どうしよう……と思っていたある日、私はリクナビのサイトで、ある社会福祉法人のページを見つけた。人の為になる仕事で立地は良く給料も良いか……。県外で通勤が大変そうな為迷ったが、何故か惹かれる所があった。

私は藁にもすがる思いで、この法人の採用試験を受けることにした。試験は筆記と面接。どちらも手応えがあった。
そして11月になり、採用の通知が届いた。私はようやく、就職活動を終える事ができた。両親もゼミの先生も喜んでくれた事をよく覚えている。

あれから約3年、私は今もそこに勤めている。今勤めている法人に入った事に後悔などない。
だが、今でも時々思う。就職活動、きちんと自分のやりたい事を決めて、早くから面接の練習や筆記の勉強もしっかりして臨んでおけば良かったなと。そうすればあんなに時間はかからなかっただろう。今から就職活動を始める人には、そう伝えたい。