「漢字が多すぎて気持ち悪い!」
字面だけ見ると強烈で、悪口のように見えるが、実際は手を叩いて大爆笑されながらすごいと褒められた。
これは当時小学5年生だった私が言われた言葉である。

進級するごとに上の級を目指し、自信につながった漢字検定

たしか県の主催事業だったと思うが、小中学生を対象とした宿泊研修に参加した。最終日にリーダーの中学生に、みんなで色紙に寄せ書きをすることになった。衝撃的すぎて今でも覚えている。
体育と算数が苦手科目だった私が、自分の得意を見つけたいと思い、出合ったのが漢字検定だった。
同じく5年生で、小学校卒業レベルの5級に挑戦し、一発で合格できたことが嬉しくて、それ以来進級するごとに上の級を目指していくようになった。
中学2年生の2月に、高校卒業レベルの2級に一発で合格出来たときは、とても嬉しくて自信がついた。

しかし、学校では英語検定が奨励されており、数学検定も周りで受けている子が多かった。珠算で表彰される生徒もいた。
そのため漢検を持っているといっても、何となくパッとしなくて、寂しい気持ちになった。
けれども好きなことには変わりはないので、社会人になってからも勉強は続け、今年の6月に約10回目の挑戦が実を結び、準1級に合格することが出来た。
職場で「合格もすごいことだけど、何より頑張ってきた努力の証だよね」と言われたときは、涙が出そうになった。中学生のときに感じた、ぽっかりと空いた胸の穴も埋めてくれた。

厳しくしつけられた敬語の使い方を意識し、しっかりと使えるように

また、同じく小学生の頃に、当時入っていた金管バンド部の顧問に言われた言葉が忘れられない。
「◯◯さんはきちんと敬語が使えているね」
一人っ子である私は、母から言葉遣いに関してかなり厳しくしつけられた。そのおかげで、年上の人から可愛がってもらえた気がするし、顧問からもそうやって言ってもらえたんだと思う。
高校に上がれば、先生のことをみな呼び捨てしたり、あだ名で呼んだり、タメ口を使ったりする。しかし私はどうしてもそれができなくて、きちんと敬語を使ってきた。

しかし、"きちんと"使ってたはずの敬語は、国語の授業で勉強して初めて、まやかしだと気がついた。
「~です」を使うだけが敬語ではない。敬う対象の動作であれば尊敬語、自分の動作であれば謙譲語で、それぞれ使い分けがあるんだと知った。

それからは3種類の敬語を意識するようになり、大学に入ってからは、メールの文面にも気を付けるようになった。
また、アルバイト先で「了解です」は目上の人に対して使う言葉ではないと知ってからは、「かしこまりました」と言うようになった。
そうやって早いうちから心がけていたおかげで、今しっかりと敬語を使うことができている、と自負している。

コツコツ取り組む姿勢は、資格検定の勉強に励む今につながっている

そんな私が出会ったのが秘書検定だった。2級に挑戦してみたところ、一発で合格とはならず悔しい思いをした。問題が理論と実技に分かれるのだが、理論が足りていなかった。
実技の部分は、用語や知識などで丸覚えしてしまえば解答できる。しかし理論の場合、秘書に求められる資質といって、例えば「上司が不在時の対応」など実際に働いてみないと分からない問題が多かった。
そのため想像力を働かせ、アルバイト先で置き換えて考えてみたりして、二回目で受かり、その翌年準1級にも挑戦し合格することが出来た。

今働いている職場でも、電話応対などで大いに役立っており、無駄じゃなかった、頑張ってきて良かったと感じている。

スポーツはできなくても、せめて勉強は頑張ろうと小学生のうちからコツコツ取り組み、それが苦にならずに、社会人になった今でも資格検定の勉強に励める自分は、少し誇りに思っている。