会話中に「ロリィタファッションが好き」と答えると、ロリィタファッションしか好きじゃないと思われがちである。ある時は、ロリィタファッションに対し嫌なことを言ってくる人もいた。
就活でも同じことが起こった。就活に思うことは、「ロリィタファッションが好きだからと言って、カジュアルな服は着ないというレッテルを勝手に貼らないで」ということである。人の話を聞いてほしい。
アパレルの販売員になりたかったけど、面接後はお祈りメールばかり
私はアパレルの販売員になりたかった。服が好きで、ブランドの販売員になり、お客様にブランドの魅力を発信したいと思ったからである。
しかし、内定をいただいて入社した企業は、アパレルではなく食品の販売だった。アパレル企業を数社受けた。書類は大体通ったが、面接後、お祈りメールが届くことが多かった。
アパレル小売業の企業の場合、エントリーシートにはコーディネート写真を添付しなければいけないことが多かった。
私はロリィタファッションが好きだが、カジュアルな服も持っている。写真は、自分が就職してから就きたいブランドをイメージし、カメラマンさんに撮っていただいた。だから、ロリィタファッションではない。
しかし、それは面接によって覆される。
ロリィタファッションが好きだと言うと「合わない」と思われてしまう
面接では様々な質問をされる。アパレルの場合は、「普段どの様な服を着るのか」等である。私は嘘をつきたくなかったので、はっきりと「ロリィタファッションも好きで着ます!」と答えていた。
また、卒論テーマを記入するエントリーシートを用意しているところもあり、私は素直に卒論テーマのタイトル「ロリィタファッションをする人のアイデンティティ」と書いた。
そうすると、面接官に面接時にこう質問されるのだ。「弊社はロリィタファッションとは違った系統のブランドですが、大丈夫ですか?」と。
「あれ?わかっていてエントリーしているはずなのに、この様に質問されるのか」と思ってしまう。必死に「カジュアルな服も好きで着ています」と伝えても、面接官に「ロリィタとは違うもんな……」と言われる始末。ロリィタファッションが好きだと言っただけで、「合わない」という認識をもたれたのだった。
カジュアルファッションだけでなく、ロリィタファッションも好きじゃダメですか?色々なジャンルのお洋服を好きじゃダメですか?カジュアルなお洋服しか好きじゃないとダメですか?頭の中で色々な思いがぐるぐると回っていく。
就活で感じた怒り。「ロリィタファッションが好き」な私へのレッテル
様々なジャンルのお洋服を着て人生楽しんでもいいではないか。ロリィタファッションが特殊な何かに思われているのだろうと思った。同じファッションの一つにすぎないのに。
「ロリィタファッションが好きな人は、そもそもカジュアルな服が好きではない」という認識を持っているのだろうか。
365日ロリィタファッションを着ている人はごく僅かなように思える。仕事場でロリィタを着ることができる職業は、あまりない。だから、自然とカジュアルな服を持っている人もいるのではないだろうか。
私はその一件以来、ロリィタファッションが好きと言っても否定しない会社に就職したいと思った。そして結果的に、食品の小売企業に就職し販売に携わった(現在は退職している)。
その会社は、ロリィタファッションが好きと言っても「仕事場では着てこないでね」と言ってくるだけだった。着替えるのに大変なので、絶対着て会社には行かない。
ロリィタファッションが好きな人は、別のジャンルの服を着ることもある。ロリィタファッションが好きだからと言って、ロリィタファッション以外は身に付けないというレッテルを勝手に貼らないでいただきたい。
そのような怒りもあった就活だった。