私の「自慢したい私」は、最近気が付いた自分の成長についてである。
私は、幼い頃からクラシック・バレエの教室に通っていて、高校在学中は部活が忙しく通えなかったが、かれこれ十数年続けている。大好きな習い事であり、趣味であり、そして少しは特技でもある。
中学生になってからは、夜間の大人も通うクラスに参加をしていて、大学受験が終わり、コロナ禍ではあったが身体を動かす機会が欲しいと思い、バレエ教室に復帰し練習を再開した。
バレエを教える手伝いを引き受けたものの、2つの不安があった
ある日、練習の合い間に、コロナ禍で大学がほとんどオンライン授業となり通学の必要がなく、また世の中が総じて外出自粛となり、特に大学生は自宅に籠らざるを得ない状況となったことを知ったバレエの先生から、「小さい子(小学校低学年以下の年齢層)たちのクラスを教えるお手伝いをしてもらえない?」と提案があった。
ほとんど毎日、自宅で過ごす生活に息詰まりを感じていた私は、せっかくの機会であり、良い経験にもなると思い、その依頼を引き受けた。
でも、私には二つの不安があった。
一つ目は、バレエ教室以外も含めて、今まで他人に「教える」という経験をほとんどしたことがなかったため、ちゃんと教えられるだろうかということに対する不安、二つ目は自分に弟や妹という存在がおらず、また近所や近親者にもそのくらいの年齢の子どもがいなかったため、小さい子どもと「触れ合う」機会が今までまったくなく、どうやってそういう年代の子どもたちと関わったら良いのかということに対する不安であった。
先生が提案した翌週、私は多少の不安を抱えながらも当該のクラスの初回のお手伝いに行った。この時は、私も子どもたちもお互い緊張しており、あまりコミュニケーションをとることが出来なかった。私は、緊張で教える際にあまり大きな声を出すことが出来ず、伝えようとした内容が十分伝えきれなかったことを反省した。
子どもたちとの交流は自分自身の心の成長につながり、嬉しい気持ちに
そこで、次の回からは、お手伝いに行くたびにそれまでの反省点を生かして、自分から積極的に話しかけたり、子どもたちの前で話すときは、なるべくゆっくりと聞き取りやすい音量で話すことを意識した。また、レッスン前の時間には、子どもたちが鬼ごっこやボール遊びをしていることを知り、そういう遊びにも一緒に参加し、みんなに慣れてもらおうと努力をした。
そうしたことを一生懸命続けるうち、いつしか子どもたちとだんだん打ち解けあって仲良く過ごせるようになり、今ではみんなから気軽に話しかけてくれるようになった。今では子どもたちが可愛くて仕方がないと感じるし、私が教えたことを彼女たちが徐々にできるようになっていくのを見るのがとても楽しいと感じている。
そんな自分の考え方や感情の変化に、最近ふと気が付いた。
振り返ってみれば、子どもたちとの接触を続けることで自分自身の心の成長につなげることができたのだと思い、とても嬉しい気持ちになった。またこの経験は、自分の苦手なこと、不安なことを乗り越えていく力が自分の中にあることを教えてくれた。
私は、これからも工夫を重ねながら子どもたちにバレエを教えるお手伝いを続けて行き、楽しいコミュニケーションを続けながら彼女たちに教えてあげられることは全部教えていきたいと思っている。
こうしたバレエを教えることで気づいた自分の成長、これが「自慢したい私」である。