「もう時効だよね?」と彼女に発した瞬間、心のもやもやは軽くなった

あの日あの時の自分は子供で、その子も同じように子供だった。
喧嘩って沢山種類があるけれど、精神的ダメージを与えることと言葉の暴力は本当に怖い。恐ろしい。
今までは仲良しだったのに、あるきっかけで一瞬にして関係は変化してしまう。
昨日まで親友だったのに……。
一緒にいたのに……。
「明日予定ある?」
「ないよー!」
「じゃ、飲もう!」
「じゃ、遊ぼう!」
当たり前のやりとりは一瞬にして終わった。
その子から突き放してきたから、自分はそれを躊躇なく受け入れた。
口も聞かなくなって、目も合わせなくなった。
1番辛かったのは、いるのにいないフリをしなきゃいけないし、しないといけなかったこと。
365日とちょっと……辛かったな。
2人とも社会人になった。
思い出さなければ忘れられるし、思い出したら考えるしって感じの日々を過ごす。
何年か過ぎて、大学の頃の友人の結婚式で久々にその子と再会。
後から分かった話なんだけど、自分はその子が来ることを知っていた。
その子は自分が来ることを知らなかった。
分かる前に自分は「互いにぎくしゃくするだろうな……」って思っていたから。
最初に発する言葉は決まっていた。
「ごめんね……」は言いにくいから、「もう、時効だよね?」。
その子は驚いた顔?感動した顔?してたかな。
その瞬間に今まで重くて、つっかえる物があるのにないフリしてた、心の奥底にあったもやもやは軽くなった。
そしてその子は「ありがとう」って言ってきた。
言葉は暴力にもなるけど、選ぶものによっては包容力と安心感にもなる。
お互い涙ぐんで、大人になったことを実感した。
一旦離れてしまったものや、壊れてしまったものは修復が難しい。
だけど、戻すことができる奇跡もあるってことを学んだ。
見てみないフリは本当に辛い。悲しい。
悪循環しか生み出さないけれど、見つけたらしっかり見つめてあげるっていうことの大切さを感じることが1番大切。
人って誰しも自分のことを守りたいから「傷つきたくない……」「逃げちゃえ!」ってなりがちだけど、その弱さと向き合えたら結構最強になれる!
時々なら逃げてもいいし、サボってもいいかもしれない。
自分を甘やかしてあげてもいいかもしれない。
だけどそれをし続けて、誰かが傷ついているとか自分が傷ついている時。
それはちゃんと向き合って、見つめてあげないといけない時。
言葉は魔法。態度も魔法。
見えないから選択して、それを出すことによって良い方に傾くのか悪い方に傾くのか……出してみるまで分からないから難しい。
見えてる物を見えないようにすること。
見ないようにすること。
見えない物を見えるようにすること。
こいつらって本当に難しいから、成功も失敗がどうしても出てきちゃうんだよね。
自分とその子は大人になって、ちゃんと成長できてたみたいだから仲直りができた。
見つめてあげたから仲直りができた。
傷つけあってたけど、そこでちゃんとお互いにことの重大さを認め合うことができた。
命は有限じゃない。時間も有限じゃないから。
仲直りしたい人がいたら、ちゃんと見つめて向き合ってあげよう。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。