突然だった。あなたと過ごした2年間は、私にとってかけがえのないものだった。遠距離で会えない時間が多かったけど、私の心の中にはいつもあなたがいた。
おいしいものを食べれば一緒に作りたいと思い、面白いことがあればあなたに話したいと思い、素敵なものを見つけたらあなたを思い浮かべながら写真を撮った。毎日のように電話越しに聞けるあなたの声は、私の心の拠り所だった。会ってあなたに触れられる時間は、日ごろの頑張りの全てを癒し、慰めてくれた。
彼から突然「明日、話したいことがある」とLINEが来た
友達と遊んだ帰宅途中、あなたからLINEが来た。「明日、話したいことがある」。さっきまで友達とワイワイして温まっていた心が、スーッと冷えていくのを感じた。
話したいことがあるって、私何かしたかな。心の中で何度も何度も「何だ~、びっくりした。振られるのかと思ったよ」という言葉を繰り返した。
でも、翌日電話で言われた言葉は「もう、好きじゃなくなった」だった。
悲しさ、愛しさ、苦しさ、寂しさ、恋しさ、辛さ。
あなたが「ごめん。お前が悪いわけじゃない。お前を嫌いになったわけじゃない」なんて言うのを聞きながらも、「じゃあどうして」なんて尋ねる余裕もないくらい、いろんな感情がぐちゃぐちゃだった。
自分の気持ちを何て言葉で表したらいいか全然分からないのに、心のどこかはひどく落ち着いていた。考える間もなく、「一度冷められた人に、心の底からもう一度愛されることはないだろうから、別れなきゃ」と思った。
思ったというより、感じた。痛いほどに感じた。だから、彼の話を一通り聞いてしばらく泣いた後、「ごめんね、今までありがとう」と言って別れた。
通話時間は1時間。たったのこれだけ。私たちが過ごしたかけがえのない2年という月日は、たった1時間の通話で終わりを告げた。
最後の最後まで、彼に嫌われたくなくて「物分かりの良い女」を演じた
我ながらなんてバカなんだ。どうせ振られるというのに最後の最後まで、嫌われたくないなんて思って物分かりの良い女を演じた。
もし、あの時、「別れたくない」とすがる勇気があれば。もし、面倒だと思われることを恐れず、納得できるまで話し合いができたなら。どんなに良かっただろう。
あの時の私は「強い女の子」にはなれていたんだろうけれど、「強い女の子」にさえならなければ違う未来が見えていたかもしれない、と悔やんだ。
2週間が経ち、まだ好きという気持ちは残っているものの、心が少しずつ整理されてきた。別れたからといっても悪いことばかりではないと思えるようになった。あなたを心の拠り所にしてしまっていたせいで出会えなかった人に出会い、見えなかったものが見えてきた。
恋愛しようなんて気持ちにはなれていないけど、世の中に素敵な人は他にもいるんだと気づけた。あなたにもっと好かれたいと思って、言われてもないあなたの理想の女性を目指すこともなくなったおかげで、自分をもっと見つめることが出来るようになった。もっと自分を大切にしようと思えるようになった。ありがとう。
彼に伝えきれなかった感情が引っかかって、私の心は穴が開いたまま
だけど、前を向けているはずなのに、まだ心にぽっかり穴が開いている。伝えきれなかった感情が引っかかって、いつまでもそこに留まり続けるのだ。
だから、私、一度あなたと会って、今度こそちゃんと関係を終わらせようと思う。振られた日に戻れたら何か変わっていたのかもしれない、なんてたくさん思ったけど、たくさん思ったからこそもうそんなこと思わないために、会いに行く。
あの時はぐちゃぐちゃで言葉にできなかった私の気持ちを、私の惨めな部分も含めて勇気を出して伝えようと思う。話が終わった頃には、お互い前を向けているといいな。頑張れ、私。