私はお菓子作りが好き。
ホットケーキは簡単で、家に卵と牛乳があれば美味しいホカホカのパンケーキができるから優秀だ。今日はいつもよりも豪華に、トッピングを蜂蜜からメープルシロップに変えてみた。どうせかけるなら、パッケージのように豪華に見せたい。
私が作った甘いホットケーキを食べ、亡き祖母を思い出し涙ぐむ母
ボトルの半分以上使い切って納得のホットケーキが完成した。出来たものは誰かに食べてもらいたい。母は甘党なのでたっぷりとかけてあげた。卵焼きも甘口が好きだし、甘い方がきっと喜んでくれるだろう。
平日仕事で忙しい母が遅めに起床。ホットーケーキを見て大喜び。やっぱりねと私はしめしめと思った。一口食べた後、「おばあちゃんのホットケーキみたい」と一言。祖母のホットケーキはメープルシロップをひたひたにかけるホットケーキで、私はあれが大好きだっと。
母は懐かしくなって、涙が出てきちゃったと茶化しつつ涙ぐんでいた。私は不思議な気持ちになった。
祖母も甘党な娘に喜んでもらいたいと思い、ひたひたにしたんだろうな。涙ぐみながら食べる母を見ながら亡き祖母を感じた。
頑固な父が祖母を偲ぶ姿を見て、祖母が作る「おはぎ」を思い出した
父はとても頑固だと思う。家族の前では弱音を吐かないし、一人でなんでもやろうとする。手伝おうとしようとすると「助けはいらない!」と言う人だ。
実家の祖母が亡くなった時も淡々と葬式の準備を行なったそうだし、泣くことも動揺することもなかったそうだ。祖母の介護をしていたから近いうちに、ということは覚悟していたんだと思う。
何もなかったがある日、父が「俺も天涯孤独の身になったな」とボソッと言った。私たちがいるし、天涯孤独ではないでしょっと言ったが、よくよく思い返すとあれは祖母を恋しがっているから出た言葉だと思った。
祖母との思い出を思い出した時、まず思ったのが「おはぎ」だった。毎年何度か食べたあれ。そういえばここ何年も食べてないな。小さい時から祖母が健康だった時までよく食べていたあのおはぎ。
祖母のおはぎがあると父があんなに喜ぶなら、また作ってあげないとね
私は餅米とあんこを買っておはぎを作った。あんこと米がうまくくっつかないし、もう大変。ただ味はいつも食べていたおはぎに似ていたのでよしとした。
私は台所にいつも置いてあったように、大皿にびっしりとおはぎを並べておいた。父が仕事から帰り暫くすると、私の部屋までわざわざ来て、「おはぎがある!俺はおはぎが好きだ!」と大喜び。
少し照れ臭かったので、おはぎなんて簡単にできるし、いつでも作ってあげるよ、と少し得意げにすましたように言った。あんなに喜ばれると作ってあげないわけにはいかないよね。だって、「おばあちゃんのおはぎがまた食べれて嬉しいです」って背中に書いてあるもの。