今の私は実家で家族暮らし。母、父、私、父方の祖父、祖母、おじの6人だ。
私は一度、県外の学校へ進学するために寮で半一人暮らしを、出身の県に帰って来てからすぐは別の町で家を貸して頂き、完全な一人暮らしをしたことがある。
色々な暮らし方を経験し、学んできたことを共有していきたい。

寮での生活はとても便利。その後の一人暮らしは過酷で辛い経験に…

私の家族、もとい父方の家族は非常に、否、異常といってもいいくらいには特殊で、今も昔と全く変わらない生活を送ろうとする性質がある。
自分たちのお金の使い方も考え方も変えようとせず、自分たちがいくら悪くても悪びれずにすぐ他人のせいにするため、昔からずっと他人から煙たがられているような家だ。
私はそんな家族といることが今も昔も変わらず嫌で嫌で仕方がなく、折角自由な一人暮らしを経ていたのに、結局また実家暮らしになってしまっていることが窮屈に思っている。

県外の寮では半一人暮らし……というのも、料理が出てきて、寮長さんと寮母さんは常駐しておられた上にとても便利な、私から言わせてもらうと「都会」であり、家事をすること自体も少なかったために上手く行っていたように感じていたものの、初めての就職先となった別の町での田舎暮らしで非常に過酷で辛い体験をすることになってしまった。

別の町では最初は家事も趣味も上手く回っていたものの、常に地域と密着し続ける仕事であり、「休み」があっても「休み」を取ることは一切許されず、朝6時から地域の人が家にやって来たり、早朝から地域の行事に参加したり。
まだ生活に慣れていないのに、慣れていない土地で慣れないことをする……徐々に家事をすることさえ出来なくなっていき、同時に家中には呪われているかのように感じるほど毎日カビが生え続け、その対応にも追われるようになり……すぐに体調を崩して床に臥せってしまい、その後実家に帰ってからはコロナ禍となり、何も動き出せずにいる状態が続いている。

早く自立して、働きたい。これだけ思っていても叶えることはできない

成人したおかげで両親の許可なく支援を受けられるようになったために、より詳しく自分のことが分かってきた。
私には「発達障がい」と呼ばれる障がい特性が元から備わっており、複数ある物事の同時進行等が出来ない体質であるようだった。これは仕事でも、家事でも、自分の趣味でも、自分が自分として生きている限り、全てに当てはまってしまう。

大人なので早く自立したい、働きたい。
家族も嫌なので実家から離れてしまいたい。
また一人暮らしがしたい。
別の町でしたような、同じことは繰り返したくない。

こんな思いも全て「障がい」があるがために、叶え切る事はできないのだろう。
一人暮らしは「家事に手が回らなくなるから」だけではない。
私の県の企業は田舎特有の頑固な考えがずっとある。障がい者差別が非常に顕著だ。そのためどれだけ良いところを見てもらおうとも、もう低賃金かそれ未満でしか働く事ができない。専用の求人を使っても尚だった。社会の落とし穴に嵌って抜け出せなくなった感覚だ。

実家は苦しいところだけど、生命を保つためにはなくてはならない

実際、一人暮らしが出来たとして一ヶ月の支払いを考えてみると、毎月の家賃、電気代、ガス代、水道代、携帯代に加え、光ネットが通っていないために加入する必要のあるサービス代に、車がないと生きていけない地域のために車代、保険代、車検代にタイヤ代、ガソリン代。女性なので毎月の生理用品や漢方薬なども買わなければならない。
もちろんそこに食費や雑費も絡んでくるとなると、最低限15万円はないと確実に安定は約束されない。では時給800円台、あるいはそれ未満で一体どうやって生きろというのだろう。

まともな家族を持っている人や健常者が羨ましく思う。
「障がい」という社会から嫌に見られるレッテルなんてなく、気にすることもなく仕事を探せてなんなく自立出来るのが、本当に心の底から羨ましくて仕方がない。
私だって一人の人間だ。きょうだいもいないため一人で暮らせるようになりたい。けれど今の社会のままならそれはもう出来ないも同然になっている。
私は血が繋がっていても血が繋がってなくても、「家族(ひと)のいる暮らし」という存在がないと脆く崩れてしまう。

実家は苦しいところだ、けれど、私が生命を保つ為になくてはならない存在だ。
今はすぐ変えられなくても、必ず自立して幸せになろうと今日も私は仕事を探している。