ずっと、きょうだいと比べられることが嫌だった。
一番上の姉は底抜けに明るい性格としっかりした気質から、小中高大と生徒会に属していた。二番目の姉は淑やかで、とても頭が良かった。
もちろんそんな姉たちを尊敬していたし、誇りに思っていた。
けれど自分は特別優秀なわけでもなかったし、どちらかというと地味なタイプで、姉たち二人は似ていると言われるのに対して、私は似ていないね、と言われることが多かった。
そんなコンプレックスから、優しくしてくれる姉たちに対して壁を作っていた。
両親に対しても、反抗的な態度をとっていた。

そんな私は2021年、大学入学をきっかけに家を出て寮に入った。
一番上の姉は、就職により東京から大阪に住まいを移した。
母は仕事を辞め、新しい職に就くため学校に通い始めた。
教職の父は今年から担任を受け持つことになり、今までにも増して忙しそうだ。
いつかは家族みんなが、それぞれの生活を送るようになるというのはわかっていた。けれど実際そうなってみると、想像よりも寂しく感じる。
姉たちが羨ましくて拗ねたりしていたけれど、いざ離れてみると、寂しい。
慣れない寮生活、両親から仕送りの段ボールが送られてくると、恋しくなる。
そんな今だから、素直に伝えられる気がする。
いつもありがとう。大好きだよ。