拝啓
お元気ですか。
長女より母へ、どうしても伝えたいことがあり、今画面に向かっています。
就職と同時に実家を出てからおよそ1年半が経ち、少しずつ実の伴った「社会人」になりつつあります。
新卒で入社した会社ではパワハラに遭い、ほとんど水しかのどを通らなかったとき、遠方から温かいご飯を作りに来てくれたこと、まだ記憶に新しいかと思います。
思えば、昔から私が孤独にならないように、寂しさを感じないように、いつでも奔走してくれていたのは、私自身よりもあなたでした。
小学5年生でいじめにあってから、うまく人と付き合うということがさらに分からなくなってから今の会社に入るまで、ずっと棘だらけの道を歩いてきたような気がします。
人と同じ道を歩きたいくせに、同じだけ有象無象に紛れることが嫌いな私がここまで来られたのは、間違いなくあなたが私の母でいてくれることが理由です。
距離が近すぎて、実家にいるときにはあなたの本当の優しさに気づけず、傷つける言葉を言ってしまったことを心の底から後悔しています。
だからこそ、その分も「ありがとう」をこれからたくさん届けていきます。
「ごめんね」よりも「ありがとう」を伝えることを教えてくれたあなた。
「ありがとう」は、相手も自分も温かい気持ちになれる魔法の言葉だと教えてくれたから。
私をあなたの娘にしてくれて、本当にありがとう。
かしこ