父さん、お母さん。この間実家に集まった時に、3人目の子どもとしての私について話していたよね。
周囲から「手がかかるね」と言われ続けた姉・兄と、1番上と13歳差の末っ子の妹に挟まれた3番目の私は、ずっと暗に求められていることを察していた。学校では問題を起こさない良い子ちゃん。兄が英語を習いに行った時には見張り役として同席。ちょっと可愛そうに聞こえる?

ううん、実はこのポジションは最高なの。
確かに、お下がりが常にあるから新しい物を強請るのは気が引けたけど、上の失敗を間近で見られるから、常に怒られない方法を逆算できるでしょ。
兄弟と外を歩いていても、お母さんが私まで目がいかないからこっそり違う道を歩いてもバレないし。あの1人で歩いた道で味わったドキドキ感が、私の視線を外の世界へ広げてくれた。

お兄ちゃんの見張り役で参加したレッスンは、英語の教員免許へと姿を変えた。
思春期の爆発は、黙って「父さんの部屋」でピアスの穴を開けたことで消えた。
言葉に変えられない苛々は、バレずに一瞬で終わらせることがベストだって上2人を見て知っていたから(笑)。

教員として沢山の子どもを見ている今、人間の成長に家族構成はとても大きな影響を及ぼしていると感じる。それでも逞しく生きる彼らを見ていると、置かれたところで咲く能力は人間に備わっている気がするの。
だから、4人全員に宝石以上に純度の高い愛情を注いでくれてありがとう。
それが順番なんかよりも大切なことだったんじゃないかな。