実家暮らしの最大の魅力は、お金が貯まるところだと思う

私は生まれてから23年間ずっと実家暮らしをしている。なぜなら今まで学校も職場も家から通学通勤範囲内なのである。
実家は築7年で比較的新しく、1人部屋のある2階は弟が県外の大学へ行ったのでほぼ独占状態。父は単身赴任なので実質、一軒家に母とふたりで暮らしている。
時折、言い合いになったり小言を言われたりはするけれど、話すことが苦手なコミュ弱の私がぬいぐるみを介してコミュニケーションをとることが許されている、わりと過ごしやすい実家である。

また、時々親が弟の様子を見に泊まりがけで出掛けると、実家にひとり暮らしという最強に楽しいイベントもある。
いつもより濃い化粧をして仮装し、ピザやケーキ等、好きなものを食べて歌をうたう。我にかえったら負けのパーティーをひとりで開催する。
そして何より実家暮らしの1番の良いところは金が貯まるところだ。月3万を親に支払えば他に家賃も食費もかからない。母は専業主婦なので料理も洗濯もやってくれる。むしろキッチンが狭いので日常的に料理をしようとすれば追い出されるに決まってる。
私がもし料理好きだったら、とっくにひとり暮らししているはずだったが、幸い「自分がつくるより他人がつくるもの、もしくはジャンクフードの方が美味」派なので問題ない。

私にとって実家暮らしの不便な点は、好きな服を着れないことだ

実家暮らしのデメリットはやはり自由がないところである。
家族とはいえ他人との共同生活なので、ご飯を食べる時間をあわせたり、風呂の時間をかぶらないようにしたりなどの最低限の協調性が必要になる。それができないから小言を言われるわけで、いくらスルースキルを身につけても多少のストレスは生じる。
ただ、度を超えた家族内ルール違反はまだ起こしていない気がする。スマホがあるのであまりテレビに関心がなく、チャンネル争いはしない。暗黙の了解で大体19時の門限(仕事を除く)を守り、コミュ障を極めてるから友達や彼氏との外泊もない。
ちなみに一応友達はいるが、彼氏に関してはいない歴イコール年齢である。私は自分の恋愛に興味がないからあまり関係ないけれど、恋愛体質の人にとって実家暮らしは何がとは言わないが、不便なのではないだろうか。

そんな多少の制約は、家族とはいえ住まわせてもらっている立場としては仕方がない。ただ私にとって実家暮らしの何より1番不便な点は、憧れのロリータ服を着れないことである。
初めてロリータ服を買った際、母にオタクが着る変な服と言われ、絶対外で着るなと叱られた。私が着ると変な服という意味ならば納得できなくもないが、服自体は間違いなくかわいい。

そもそもオタクに偏見を持っている時点で古い価値観だと思うが、価値観の押し付け合いをするのも不毛なのでしない。世の人全てが同じ考え方をしていたらそれはそれで気持ち悪いのである程度の偏見上等だけれど、せめて「私は好きじゃない」「着てほしくない」等とソフトに伝えてほしいものだ。
言われても私はロリータが好きだから買うし、着るけども。

一人だろうが、実家だろうが、一生懸命生きていることに変わりはない

もし「実家暮らしは甘え」と言われるのならば、「うっせぇわ」と答えよう。ぬいぐるみを介してでもコミュニケーションをとってくれ、実家に住まわせてくれる優しい親である点については確かに恵まれていると思う。

しかし、自由と引き換えに金と利便性を手に入れているのであり、それは私が選んだことだから、金と引き換えに自由を手にすることを選択された方々にとやかく言われる筋合いはない。
もちろん、人それぞれいろんな事情を抱えながら生きているので、実家暮らしは楽そうで羨ましいと言われればそれまでなのだけれども。1人だろうが実家だろうが一生懸命生きているだけで大変で、頑張っているのだから自分の選んでいることに自信を持ちたい。