私は手帳をつけるのが趣味だ。
ただ手帳に予定を書き込むだけでなく、シールやマスキングテープでデコレーションしたり、ウィッシュリストなるものを書いてみたり、日記をつけたり、コラージュしたり……とにかく奥が深いのである。

私は2021年にその「手帳沼」及び「文房具沼」にズブズブとハマってしまった。
いかに可愛くコラージュするか、どうすれば他の人のような統一感のある手帳作りができるのか、日々そんなことを考えながら楽しく過ごしていた。

沼になるほどハマった手帳や日記がある日突然苦痛になった理由

しかし、大好きな手帳や日記がある日突然苦痛になった。

10月末、私は手帳だけでなく、コラージュに使う素材を大量に持て余していた。それに加えて万年筆やインクにまで手を出してしまい、最初は数百円から始まった「手軽な趣味」が「高価な趣味」に変わってしまった。
そして金銭感覚が狂い、クレジットカードの支払いを滞納しかけるところまで陥った。
元々浪費癖があったのは自覚していたがここまで来ると流石に焦りを感じた。

それにくわえ、仕事が急に忙しくなった。
私は疲れていても日記をデコレーションし、SNSにアップし続けた。

しかし、自分が思っているより伸びない。そんな中、私よりフォロワーが少なかった人がここ数ヶ月で企業からの案件を貰えるくらい成長していた。

悔しかった。

そんなことが積み重なり、シールやマスキングテープを貼ること、ペンを握ること、手帳を開くことを辞めた。

毎日続けていたことやめるのは少し後ろめたい気持ちがあった。
それから12月になるまで机に向かう回数が一気に減った。

酔っ払った日、黙々と思いの丈をひたすら手帳に書いて得た心地よさ

ある時、転機が来た。

12月の頭、緊急事態宣言が解除され、アルコールの提供が各県で可能になったこともあり、久しぶりに知人とお酒を飲んだ。ベロベロになるまで酔っ払って帰ってきた。

ふと机のある方を見て、思いの丈をひたすら手帳に書いた。
ただ黙々と書き続けた。
これは無意識だったと思う。今では思い出せないくらいであったうえに、そのページを読み返すことが恥ずかしいと感じるほどであった。

ただ、書き終えた頃の感情だけは覚えている。達成感というか快感というか、とりあえずとても気分が良かった。

SNSのいいねなんてどうでもいいのだ。
みんなと同じようなコラージュをしなくてもいいのだ。
毎日毎日続けなくてもいいのだ。
皆が買ってるから、新作だから、限定品だからと何でもかんでも買わなくていいのだ。
ただ自分が好きなことを好きな時にするのが「趣味」なのだと強く思った。

自分のペースで趣味を楽しめる1年にしたい。もちろん収入の範囲内で

それから私は、自分の支出を見直し、本当に欲しいものだけを購入するようにした。
直感で欲しいではなく何日もずっと頭に残っていれば購入すること。
自分が今どれだけ何を持っているかを把握し、みんなが持っているからとストックを幾つも買うのもやめた。
身体が疲れている時は自分の気持ちを優先して過ごすことにした。
SNSも自分が見たい情報だけを取り入れるようにした。

まだ完全に浪費癖は治っていないが、かなり改善された。と思うようにしている。他の人からすればまだまだなのだろう。

2022年こそは自分のペースで趣味を楽しめる1年を送りたいと思う。もちろん収入の範囲内で。