突然だが、わたしは昔から手帳が好きだ。
手帳をまともに使い始めたのは、高校生の頃から。
そう考えると、かれこれもう10年以上使っていることになる。
使っているとはいっても、きちんと1年使い続けられたのはここ数年のことである。デザインばかりに気を取られ、自分の目的に合った手帳を購入できていなかったからだ。

手帳には、合う・合わないがある。
わたしは手帳の選び方を、恋愛みたいなものだと思っている。
見た目だけで選んで中身が想像と違ったりすると、手放したくなる。
もちろん見た目も大事だけれど、中身もちゃんと知ってから選ぶことが大事であり、長続きさせる上で必要な見極めだと思っている。

そのことに気づき、自分が求めていた手帳を見つけ、3年ほど同じメーカーのものを使っていた。
2年間はマンスリータイプ、1年間はマンスリーと1週間見開きでちょっとした日記が書けるタイプのものを使っていた。
デザインも気に入っていて、2021年も同じものにしようかと思っていた。
しかし、今年からは新しい試みを始めようと考えたのだ。

型にとらわれず、自由に書くオリジナルの手帳に切り替え

わたしは手帳選びへのこだわりが強い。
「自分がその手帳を持っていて、わくわくするか」
「書きたいという気持ちにさせてくれるほど惹かれる点があるか」
「自分が求めているフォーマット、デザインであるか」
もっと細かく言えば、
「巻末によくついているノートは方眼が良い」
「毎日持ち運ぶからかさばらず、軽いものが良い」
「シンプルが良いけれど、他にはない工夫がしてあるデザインが良い」
と細部まであげだしたらきりがないほどだ。

それならもういっそ自分で作ってしまおうかとも考えたが、仕事はシフト制で休日は不規則だ。オリジナルにするとなるとフォーマットも自分で考えなくてはならない。書くならきちんと書きたいという変に完璧主義者なわたしは、なかなか決断ができなかった。

なぜ手帳ひとつでここまで考えるのかというと、手帳はその1年を一緒に過ごす相棒になると思っているからだ。
手帳には、自分の予定、体調、日記、思い出を記録したり、ときにはもやもやした感情をぶつけたりと自分の恥ずかしい部分をすべてさらけ出している。

なんなら恋人や家族よりも。

けれども、今使っている手帳だと、わたしが書きたいことを受け止めきれず容量オーバーになってしまう。それならば、自由度を高くして好きなように書いてみればいいのではと「手帳会議」を何度も行い、ようやく決心したのだった。
ちなみに「手帳会議」というものは、来年の手帳を決める際に、自分が今欲しいと思っていたり、気になっていたりする手帳を挙げて、本当にそれを買って使っていけるのか考える、毎年恒例の作業である。
その際今まで使っていた手帳の振り返りも同時に行い、これからどういうことを書いていきたいかなどの願望や、使えなかった機能の反省点、改善点も考える。1年に1度行う、その年の相棒と向き合う時間になる。
そうして2021年を共に過ごす相棒は、マンスリーとフリーページがたくさんあるタイプの手帳となった。

わたしを受け止めてくれる、ステップアップしたスタイルの手帳

年が明けてちょうど1週間経った現在、新しい手帳との関係は良好である。わたしが書きたいと思ったことを快く受け止めてくれている。
「ずっとまとめたかったしいたけ占い」
「2021年の目標」
「2021年のおいしかったもの」
「推しのライブの感想」
今までは分けて書いていたことをひとつにまとめられるということが、こんなにも楽だということをはやくも実感している。
いろいろ書きすぎて、もしかしたらページが足りなくなるかもしれないが、その時はその時でまた考えようと。

枠にはまった中で自分なりに書いていくスタイルが好きで、自分にオリジナル性を求められるスタイルは苦手だったのだが、自分の中でもいつの間にか手帳スタイルのステップアップをしていたらしい。
新しい相棒との冒険がここから始まる。