プライベートも仕事も楽しんでいた生活からコロナで一変

2018年4月、私は愛知県の実家を出て、神奈川県の会社に就職しました。
社会で働くことの大変さを学びながらも、充実した日々を過ごしていました。
また、私は社会人になってから、初めての一人暮らしを始めました。
一人暮らしの解放感が心地よく、お休みの日は毎日どこかに遊びにでかけたり、友達と会ったりして、プライベートを充実させていました。

そんな日々を2年ほど続けたある時、2020年4月に新型コロナウィルス感染拡大により、政府から緊急事態宣言が発出されました。
宣言発出前から、学校が休校になったり、有名テーマパークの営業休止などあり、新型コロナウィルスの脅威が日本にも浸透してきました。そして、その脅威により私の毎週の楽しみは、失われ始めました……。

人には会えず、外にも出られず、仕事もうまくいかない環境

緊急事態宣言が発出されてからは、会社は初のテレワークを導入、スーパー以外の外出は控え、友人や実家の家族とも会えない日々が続きました。
また、同時期に会社では、私は部署の異動を命じられました。
異動に関して不満はありませんでしたが、異動先の部署で与えられた仕事はこれっぽちの仕事量で、その与えられた仕事の少なさに私は自分の存在の必要性を感じなくなりました……。

人には会えず、外にも出られず、仕事もうまくいかない……、そんな環境が私をどんどん悪い方向へ引き連れていきました。
毎日生きている価値を感じられず、人に感謝されてもそれに対して喜びも感じない。
人に会って楽しく話すこと、愚痴ることもできない。誰かと一緒に綺麗な景色を見ながら、美味しいご飯も食べられない。
こんな状況が続き、私は軽い鬱症状となりました。

鬱に苦しむ私を救った、遠距離恋愛中の彼の電話

鬱と宣告されたのは、25年生きていて初めてのことでした。
この病は時間のみが解決してくれると思っていました。
いつか治ると思い、ただただ毎日を無の感情で生きていました。

しかし、こんな私を救ってくれたのは、彼氏の存在でした。
当時は遠距離恋愛中だったため、彼は毎晩電話をしてくれて、私を励ましてくれました。
私の口から出る言葉は、聞いていて気持ちいいものばかりではなかったはずで、彼も仕事で疲れていたはず。そんな中でも毎日寄り添ってくれて、私を支えてくれました。

そんな彼がある時、旅行に誘ってくれました。
全国の感染者数が落ち着いていた頃で、勇気を出して行ってみようと思い、私たちは京都に行きました。
共通の趣味だった御朱印巡りを中心に、神社やお寺を巡りました。
Instagramで話題のスイーツを食べたり、趣味の一眼レフで写真を撮ったり、久々の旅行を楽しみました。

旅行から帰った後、写真を見返すと、2人で撮った写真の私は、笑顔ばかりでした。
彼氏の存在はもちろん、旅行が私に与える力は想像以上のものだと改めて感じました。
これまでどん底にいたような気分が晴れて、少しずついい方向へ進むことができました。

私にとって旅行は、私を私らしくいさせてくれる栄養剤のような存在です。