2021年、一生仕事に生きると思っていた私が、新卒1年目で仕事を辞めた。人生は思い通りにならないことを思い知った出来事の1つである。

不本意ながら仕事を辞めたことで、私の価値観は大きく揺れ動いた

大多数が仕事を続けるという選択をしている中、自分が少数派に入るという可能性を少しでも考えていなかったが為に、理想と現実の落差は大きかった。
挫折という言葉が、とても似合っている。この挫折という言葉が、今後輝く日は来るのか、今は見当もつかない状態である。

今となっては、当時の辛さを鮮明に思い出すことが出来ない。記憶とは不思議なもので、過去は美化されるのである。嫌なことがあってもいいことの方が強く、次々へと上書きされていくシステムだ。そうして、心の平穏を保っているのだ。だから、当時の辛さは風化されてしまいつつある。

つらいけども仕事を辞める勇気がない、と周りの人によく言われた年でもあった。辞めたいといいつつ、働いている自分というものに酔っているんだろう?と問いたくもなるが、そこはあえて相談にのっていく私である。

私も働く前には、なぜすぐに職を変える必要があるのか、お金がそんなに大事なのか、と価値観の違いに驚いたこともある。
しかし、そんな私も不本意ながら仕事を辞めたのである。自分の価値観を手放した瞬間、価値観が大きく揺れ動いた。

私が仕事を辞めたのは、前から走ってきた車を避けるぐらいの感覚で

私が仕事を辞めることとなったのは、このまま続けては自分がなくなると生命の危機を感じたからである。
前から走ってきた車を避けたぐらいの感覚だ。その行動に勇気も何もいらない。むしろ、車に轢かれてからでは遅いのだ。

もちろん、勇気がないという気持ちもわかる。言い出すきっかけも必要で、今までの時間を振り返ってプラスとマイナスを天秤にかけたりもする。結局、多数派に身を置くのが今までの私だった。
だけど、他人からの意見が全てではないし、決めるのは自分なのだ。そう教えてくれたのも上司だったが、結局は自分で全て決めて行動しようと思えたのも上司のおかげだ。

価値観基準は、人それぞれなことを仕事や人との関わりを通して強く感じた1年。この基準が人を傷つけることもあるし、また人と人を繋げるきっかけにもなる。このことだけは、いくつになっても、どんな地位についたとしても忘れたくないことの1つである。

仕事を辞めたおかげで〜と、ラッキーなことばかりを考えてきたが、以前の自分と比べて圧倒的に自信を失ったし、自分への信頼もなくなった。いままで積み上げてきたものは一気に崩れていった。

自分を認められなくなったことが1番の代償だろうか。どこに行っても働いている人がキラキラして見える。今からでもそこへ踏み出そうとすれば、簡単にいけそうなのに立ち止まる他ないのも自信がないせいだろう。行動をなかなか移せずに、足よりも先に頭が動いてしまう。

今の一瞬を幸せだと思ったもの勝ち。やりたいことを優先しよう

精神疾患になり、もう何もかもどうでもいいと思ったときに、時間は有限ではないとふと思った。いつか終わって全てを失うのならば、今持っている知識も経験も何の意味があるのか、生きている一瞬一瞬を幸せだと思った者勝ちではないか、と思ったのだ。執着せずに、その瞬間にやりたいことを優先しようと決めた。

でも、いまのわたしには本当にやりたいことは何か、それすら浮かばない。やってみないと、本当にやりたかったことなのか確かめることすら出来ないのかもしれない。

失敗を恐れることなく、興味を持ったものに挑戦していきたい。失敗も成功も、何もしていない自分すら認められる自分でいたいと思う。そこからでしか、今の自分は始まらないと思うから。自分を認められない、誰によりも自分に厳しいわたしが、精一杯、自分のことを大切にしたい2022年。

ひとつひとつの選択に何かの意味があるのかもしれないし、ないのかもしれない。でも、一瞬一瞬を幸せだと思う選択をして、全部を振り返った時に間違っていなかったと思える人生を作ってみたい。