久しく連絡を取っていない友人に、こちらから接触を試みる。
当たり障りなく「久しぶり!元気にしてた?」と始め、一言で近況報告をする。最後は、返信しなければ、という気負いを相手に持たせないように、「お疲れ様。じゃあね」などとしめる。
大抵、相手からも返信を求めない返事が返ってくる。自分も元気な事が書かれていて、最後に「今度会おうね」と締めくくられることが多いが、大抵の場合は「今度会おうね」は社交辞令で、具体的な日取りを決めて実際に会うところまでこぎつけることはほとんどない。
こちら側から誘ってみようか、という考えが浮かぶが、いつも躊躇して誘えない。

社会人生活、新しい交流の場を求めて、Twitterを始めてみたい

さて、社会人になれば、さぞかし色々な人と知り合いになれるのかと思いきや、そんなこともなく、人間関係は限定されている。職場の人間や家族だけと話す日がほとんどだ。
その職場の人とは、人見知りのせいもありなかなか親しく話せない。ディープな会話は、たまに数少ない友達と話すだけで、しかも既存の人間関係は薄くなる一方だ。今付き合っている友達ともいつ疎遠になるかもわからない。

学生時代に比べたら、新しい友達がいつの間にかできる、という機会はめっきり減った。社会人は新しい人間関係を自発的に探し当てなければいけないらしい。そんな新しい交流の場を求めて、Twitterを始めてみようか、と考える。

Twitter含め、LINE以外のアカウントを持っていない私でも、TwitterについてはLINEニュースを通じて多少の知識を持っている。
投稿した画像や動画などが「バズる」と、不特定多数の人の目にさらされ、注目の的になる。ダイレクトメール(DM)の機能があって、フォローしているアカウントの持ち主と一対一のやり取りができる。最近の若者はLINEを使わずにDMで連絡を取り合うらしい。
Twitter上に自作の漫画などの作品をupしている人もいて、それが人気を博し出版にまでこぎつけるパターンもあるらしい……。

話すネタがないと悩んでアカウント作成に踏み切れず、計画止まり

しかし、いつも計画止まりで、なかなかアカウント作成に踏み切れない。
単純な話、話すネタがない。
数少ない友達や職場の人間にその悩みを言うと、決まって「『電車遅れてる』みたいなつぶやきでもいいじゃん」と、「『見る専』でいいじゃん」という旨の意見をもらう。
しかし、私は「電車遅れてる」のつぶやきを見かけたら「だから何?」と思ってしまうタイプなので、この種のつぶやきはしたくない。『見る専』はTwitterを最大限に使っていないのでもったいない気がする。

となると、人々の共感を得られるもの、面白いもの、有益な情報など、とにかく「人の心に残るもの」を流すしかない。
だが、私は本や雑誌、周りの年上の人たち、YouTubeの動画やそのコメント欄を目の当たりにして、自分の趣味のことですら知識に乏しい事を思い知らされて、打ちひしがれてしまう人間なのだ。自分はなんて無個性で、何にも持っていない人間なのだろう、と。
こんな私が、「人の心に残るもの」=「話のネタ」を提供できるだろうか。

友達を誘えない、Twitterを始められない理由は、言わば同じ

そして、友達を誘えない理由も、Twitterを始められない理由も、つまるところ同じであることに気づく。
語れるものがあまりにも少ない私に、果たして人は付き合ってくれるだろうか?
わざわざこんな私に会う理由はあるのか? 
自信が持てない。

そんな私は、自信をつけるための自分磨きをするしかない。
つまり、語れるものを作るために「勉強」するのだ。自分の趣味にすらマニアになれなかったのだから。今まで、好きなものは好きなのだから、自ずと知識は身につくものだ、と思っていたが、それは怠慢だった。今一度、好きなものに真摯に向き合い、「語る言葉」を身につけよう。
自分を磨き、語れるものを作る。そうやって自分の価値を高めたい。そして、誰かにとって価値のある人間になりたい。
こんなことを考えて心の整理をした年の瀬だった。2022年、今年はこれを肝に銘じて、また人生を歩んでいきたい。