わたしの小さい頃の夢。それは世界中に友達を作ること。
きっかけは世界のみんなが友達になれば、世界に戦争とか不平等なんてなくなって、みんなが仲良く暮らせる世界が作れると思ったから。

旅先での出会いは最重要事項。一期一会は、旅先の大事な思い出に

今は、世界の課題解決に貢献できる人になりたいなと願い、大学で勉強に励む日々。勉強の合間を縫って、週末とか長期休みに時間を見つけて旅行に行くことがわたしの趣味。
旅は、1人で行くこともあるし、家族とも、友達とも、彼氏とも行く。行き先は、電車や車で行ける近場だったり、船に揺られてたどり着く遠い島だったり、飛行機でしか行けない国々だったり、いろいろだ。わたしにとって、一緒に旅に行く人や場所はなんでもよかったりする。
けど、1つだけこだわっていることがある。それは旅先での出会い。

小さい頃に抱いていた世界中に友達を作るっていう夢が心の片隅に残っているからか、旅先での出会いはわたしにとって最重要事項。

一期一会は、旅先の大事な思い出になる。道を教えてくれた小さな出会いから、一緒にご飯を食べることになった大きな出会いまで、全てが大切な旅の思い出。
カメラロールには景色や食べ物の写真以外に、現地で出会った人たちと撮った写真が残っている。旅から帰ってきて写真を見返しながら、今頃何しているかなと遠い場所に暮らす彼らに思いを馳せる。

日常で会うことのない彼らの話は、人生観を気持ち良く壊してくれる

けど、旅先の一期一会は、素敵な旅の思い出として残るだけじゃない。
見知らぬ土地で起こる出会いは、わたしにまだ見たことのない人生の歩み方を教えてくれる。日常生活では決して会うことのない彼らの話は、わたしの人生観を気持ち良いように壊してくれる。そして、勇気をくれる。
これが、わたしが旅をやめられない理由。

旅先で出会う人たちは、わたしとは全く異なる人生を生きている。いつも何をしているのか、なぜここに住んでいるのか、これからやりたいことはあるのか。数十分のちょっとした世間話でも、すぐにわたしは興味津々で彼らの話に耳を傾ける。その話の全てがわたしにとって、とても新鮮に映る人生のかたち。

三宅島で出会ったおじちゃんは、北の方の出身だけど東京の島々に魅せられ、島々の職員として働いた後に、火山があるこの島に移住してきた。
ワルシャワで出会った日本人のお姉さんは、CAとしてドバイに住む。新卒で日本で働くのではなく、自分の夢を追いかけて海外の企業に就職する道を選んだとか。
リトアニアにある日本の外交官をテーマにした記念館の館長さんは、ずっとエンジニアだったけど、昔から好きだった歴史分野で働きたいと一念発起してキャリアチェンジ。
ポーランド出身のミュージシャンは、クルーズ船で演奏家として働き中南米を一周した後、ドバイで音楽活動をしながら不動産関連で起業した。

世界中で出会った人たちにわたし自身が救われているんだって気付いた

2021年の一期一会はこんな感じだった。わたしにとって想像もつかない人生を送ってきた人たち。
旅をしている平凡な一大学生に対して、彼らは惜しげもなく人生の切り開き方を教えてくれた。そして、好きなものや自分の夢を追求した彼らだからこそわかる、人生の楽しさも語ってくれた。
わたしは旅先でこういう話を聞くのがとっても好き。もっと自由にやりたいように生きて良いんだって、心が軽くなる。

世界中に友達ができたら、より良い世界を作ることに貢献できるかなと思っていたけど、本当は、世界中で出会った人たちにわたし自身が救われているんだって気付いた。

今年9月、わたしは大学を卒業する。
まだ卒業後の予定は決まっていない。漠然とした不安をずっと抱えている。
そんな不安をかき消すため、わたしはふたたび旅に出る。
遠くに暮らす誰かの人生を覗くため。まだ見たことのない自分の人生を切り開くため。