2021年は私にとって、苦しみながらも病気と向き合い、大学を卒業し、次のステップに進めた年だった。
私の病気は「身体表現性障害」という、不安やストレスが体の不調となって現れる精神疾患だ。胃痛、発熱などの症状、ひどい落ち込みや自己批判が起こりやすい。

相談相手は教授だけなのに、ある日「自分で考えろ」と突き放された

今年の前半、私はまだ大学に通っていて、卒業論文を書いていたが、主なストレスがコロナ禍における教授とのコミュニケーションだった。コロナ禍でゼミがなく、先生とのやり取りがすべてメールになってしまったため、度々ミスコミュニケーションが生じてしまったのだ。
字体や文字の大きさ、文字数など卒論のフォーマットに関する質問、卒論の方向性などすべてメールで相談していたら、ある日「自分で考えろ」と教授に突き放された。
ショックを受けた私は立ち直れない状態になってしまったが、精神疾患を患っている人に突き放す言葉を浴びさせるリスクを教授は知らない。
今はZoomでしかゼミの人たちと会ってないので、相談できる相手が教授しかいないのにな。
他の教授は私を気遣うような優しい返事をくれたのにな。
普段でさえ食べるたびに胃痛に苦しめられ、食べる気力を失い、落ち込んでいるのに、分かってもらえないもどかしさで一層胃が痛くなった。

どうにか大学を無事卒業したけれど、就活できる状態ではなかった

最終的には心理カウンセラーの先生に間に入ってもらい、自分の気持ちを代弁してもらうことで、間接的な和解に至った。これまでは我慢していた怒りが爆発して人間関係を切ってしまう行動に走るケースがあったが、第三者に入ってもらうことで冷静に対応できた。

和解したことで卒論の方向性を自分で決めたり面白い題材を見つけ出たりと着々と進み、予定より2週間ほど早く卒論を書き終えた。同時に胃痛との関わり方が段々と分かってきて、刺激物を避ける生活ができるようになった。おかげで月に1回の嘔吐が止まったし、胃痛の回数が格段に減った。

2021年6月に大学を無事卒業した。卒業して真っ先に、今まで卒論で苦しかったけれど、書くことで現実逃避をし、未来を考えないようにしていたんだと気づいた。
でも今は未来を想像すると暗くなってしまうから、就活できる精神状態ではない。何をやればいいのか分からないと途方に暮れていたら、メンタルクリニックの先生に就労移行支援を勧められた。

ゴールに辿り着くために、私が今できることは就労移行支援に通うこと

就労移行支援とは、障碍者のための就労支援サービスを行う国のサポートであり、学生から社会人になるまでの大きな段差を緩やかにしてくれる。
私が通い始めたところはうつ病や双極性障害といった精神障害に特化している。
そのため通っている人々は傍から見るとごく普通で元気にみえるけれど、皆通院し、服薬をして、疾病の改善に励んでいる。就職の仕方も、障碍者手帳を取得してる、してない人、障碍者雇用枠で就職する人、しない人とまちまちだ。

現在、就労移行支援に通い始めて3か月が経つ。国の厳しい審査を受けて、正式に通えるようになるまで4か月かかった。
本音を言うと、早く仕事をして稼ぎを得て自立したいけれども、現実は体力が足りないし、ドクターストップがかかっているから働けない。だから今年私ができることは就労移行支援に通い続けることだ。
同級生が元気に働いている中で一人辛抱しているこの状況はとてもつらいけれど、自分の病気を受け入れて働けるときが来るまで気長に待っている。私の歩みは亀のように遅いが、少しずつ進歩しているし、どんなに遅くてもいつかゴールに辿り着ける日が来る。