前職場の人間関係は良好なのに、転職後一度も顔を合わせていない

最近、私は転職した。
今の職場で働く前はフリーターとして書店で働いていて、前職に不満があった訳ではないのだが、「正社員」として働きたいと思い、転職を決意したのだ。
仕事が変わってから3ヶ月が経ち、新しい職場にもそろそろ慣れてきた。
今の職場は同僚も上司もみんな優しくて、良い所に就職出来てラッキーだったと思っている。

私は仕事環境に恵まれているのか、前職場の人間関係も良好だった。職場での人付き合いに悩まされる人が多いこのご時世、幸運なことだ。
前職は高校生の時から5年近く勤めていたので、最終日も盛大に送り出してもらった。プレゼントやお菓子の他に、人生で初めて寄せ書きを貰い、最後にみんなで写真を撮ったことは良い思い出だ。
前職場の女友達数名とは「また絶対遊ぼうね!」と言い合い、パートの主婦さんには「また遊びに来てね!」と笑顔で声を掛けてもらった。

だがしかし……。
退職して以来、前の職場の友達とは一度も顔を合わせていないし、今の仕事が忙しいことを言い訳に、制服を返しに行った時を除けば一度も顔を出していない。
行きたい気持ちはあるのです。本当に。

退職後、何となく行きづらいこの心理現象は、気不味い症候群?

私は本が好きだし家も近いので、今度は客として、絶対にお店に行くだろうと思っていた。
だけど、何となく行きづらい。この心理現象を何と呼ぶのか。気不味い症候群?
思えば、前職で私より先に辞めて行った人、みんな「また遊びに来ます!」「本買いに来ます!」と言って去って行った。だけど、制服を返す時以外で本当に来た人ってごく僅かで。
これって、割とどこの職場でもあることなのかな?
人と人って、親友レベルに仲良い人以外とは生活環境が離れるとどんどん疎遠になっていくものだよね。
私はSNSをやっていないから、より深くそう感じる。だけど、SNSがないと繋がっていられないような友達なら要らないとも思う。
高校時代に仲良しグループで固まっていた友達が何人かいたけど、今も連絡を取るのはたったの2人。
私は友達自体とても少なくて、「友達」と呼べる人はその2人と、あとは前職で知り合って、年に一度は必ず旅行に行く親友のみ(ここ数年はコロナで行けてませんが……)。

人と人との関わりが薄くなった現代、今繋がっている人を大切にしたい

コロナ禍で人と人との間にソーシャルなディスタンスが生まれ、関わる機会が減った今、「本当の意味での繋がり」って一体何だろうと考えさせられる。

社会人になって友達を作るのって、本当に難しい。恋人を作るより難しいんじゃないかな?と思う。
だけど、こういう風に考えることも出来る。
確かに新しい出会いはワクワクするし魅力的だけど、人と人との関わりが薄くなった現代、今繋がっている人たちを大切にしたい。
特に、環境が変わっても仲良くしてくれる友達。年に一度ご飯に行くだけでもいいから、ふと思い出して連絡し合える人。
コロナ禍で行動範囲が狭まり、新しい出会いが減ったことは悲しい。だけど良い方向に捉えれば、それは今ある繋がりを見つめ直し、感謝するチャンス。

少し話は逸れるけど、年賀状も「繋がりを繋ぎ止める」チャンスだったのではないだろうか(もう時期は過ぎてしまったけど……)。
今時、年賀状を出す人の方が少ないのかもしれないけれど、日本の「繋がりを保つ」大事な風習、たとえ相手から貰えなかったとしても、私は大切にしたい。