2021年末、転職をした。そうして得た1か月分の有給休暇の消化と、さらにちょうどコロナ禍が比較的落ち着いていた時期であったこともあり、私は大学時代の友人・先輩に会う小旅行を決行した。
遠く離れた友人・先輩に直接会えない間は、主に電話やショートメッセージのやりとりのみをしていた。そのためあまり久しぶりという感覚はなかったが、直接会うと皆が以前よりもいっそう大人の女性という顔をしていたこと、その反面あの学生だった頃とは変わらない様子への安堵に気づかされた。

皆の成長した報告は嬉しくもあり、置いて行かれたような寂しさもある

20代後半となる現在、今回会った友人や先輩は社会人歴2年〜6年目の方々。皆が私とは違う仕事や立場で、各々が色々な話を聞かせてくれた。
中でも印象に残っているのは結婚や、会社で新しい希望の職場に行けたなどの嬉しい報告だ。親しい人の人生の新しいステップに進むという報告を聞いて私もすごく嬉しかった。しかし、皆の成長ぶりから置いて行かれたような寂しさもどこかで感じてしまっていた。

そもそも私の今回の転職はポジティブな理由が3割、ネガティブな理由が7割といったところだ。
自分が学生のころから携わりたいと思っていた職業を諦めきれずに、その道に挑戦する機会を作ることができたという理由がポジティブな理由であった。しかしそれに対して、新卒で入社した企業の雰囲気や職種、人間関係に染まりきることができなかったというネガティブな理由の方がずっと大きいような気がしていたのだ。
そのため私にとってのこの転職は人生の新しいステップに進むというよりも、やっと希望の一歩を踏み出したという意味合いが強いと思っている。2022年1月の私は新しい職場に馴染めることができるのか、仕事がやっていけるのか、仕事で将来何かを残すのかできるのか……と様々な不安を抱えているさなかである。
やっとスタート地点に立った。そしてこの先に続く道は霧の中。
今の私はそんな気分だ。

目線を過去から未来へ。少しでも人生のステップを進める

でも実際よく考えてみると、友人たちもそんなにとんとん拍子に人生を進めている訳ではないことに気づく。
今回話した中にも、実はコロナ禍の間に半年間の休職を経験していた話や順調だと思っていた彼氏とお別れしていた話から、新しい仕事に挑戦するために今は勉強を頑張っているという話、結婚したかったが彼氏からのプロポーズがないという愚痴まで様々なことを聞かせてもらった。
転職をしたのは私だけであったが、きっとみんないろいろな不安や失敗を抱えている。いつまでもそんな転職のマイナス面ばかりに目を向けてはいられない。
今回の小旅行での友人・先輩とのこのような会話は、私の目線を過去からこの先へと切り替えさせてくれた。

今後、友人と会った時、私はみんなの顔をきちんと見ることができるだろうか。身近な人と自分の違いを比べすぎず、自分の成長に気づくことができているだろうか。この小旅行を思い返すと、このような疑問が頭をよぎる。
そんな中で決めた私の2022年の私の目標。それは2022年末の自分とこの文章を書いている自分を比べてみて、ちょっとでも人生のステップを進めているということだ。
今現在の自分と比べて、少しでも成長した自分に気づくことができていれば100点満点、人と比べてネガティブになっていなければ文句なしの120点だ。

先輩の思いがつまったピアスに恥じない人を目指したい

実は、今回の小旅行ではひとりの先輩が私にピアスを贈ってくれた。
どうやら彼女いわく、このプレゼントは前に電話した時の私の転職に迷っている様子が気にかかっていたこともあり、転職祝いと今後の励ましの意図があるそうだ。
自身も今はご結婚や引っ越しで忙しいはずなのに、遠く離れた私のことも気にかけてくれていたという有難さ、そして私が好きそうなデザインと色を選んでくれたその気遣いと嬉しさに思わず涙が出た。おまけに仕事にも気軽につけていけるというデザインであり、そのピアスは私を身の引き締まる思いにさせてくれた。
先輩、気持ちが折れそうなときや気合を入れたいとき、これからたくさんの機会でこのピアスを付けさせてね。

転職初日、私はこのピアスを身に付けて初勤務を終えた。
10年後、さらに20年後はこのピアスに恥じないような人になりたい。2022年はそんな私のスタートの年だ。