「インドネシアでネイルサロンを開業する」
今の私を知る方からしたら、あまりにも唐突な宣言であるはずだ。
なぜなら私には起業経験がないどころか、インドネシアになんの所縁もなく、英語も全く話せないし、ネイルサロンに通った経験さえ片手で数える程しかないからだ。

突拍子もない宣言を掲げるに至った理由は2つある。
経営大学院での学びと、結婚だ。

自分の外側に広い世界があることを教えてくれた刺激的な同期

私は都内でOLをしているが、2年前、力不足を感じて経営大学院に入学した。
劣等生ながらなんとか単位を取得し、今年の3月に卒業だ。
先生方や同期と共に時間を過ごす中で、無限に存在するキャリアや私生活について柔軟に考えられるようになった。

特に影響を受けたのは同期だ。
とにかく人間力が凄い……!
通学期間に出産し小さな子を3人も育てながら、授業でも私たちをリードしてくれるお姉様。
若くして海外で起業し、地球の裏側から同じオンライン授業に参加しているワールドワイドなお兄様。
家業を継ぐことが決まり、修行中の同年代の良きライバル。
私がこの2年間で得たものは、経営学の知識よりも、「こういう働き方や生き方も出来るんだ……!」ということを実際に見て知れたことの方が大きいように思う。

人は自分が知っている世界の中でしか夢を描けない。
多くの幼稚園生の将来の夢は、幼稚園の先生、ケーキ屋さん、お花屋さん、今だったらYouTuber?彼らのまだ小さな世界に出てくる登場人物であるはずだ。
私はサラリーマン家庭に育ったので、義務教育終了後に自分で事業を興すなんて考えつくはずもなく、なんとなく周りに流され進学し、就職し、今に至る。
たくさんの出会いを経て、ようやく今、自分の外側にまだまだ広い世界があることを知った。

大学院で問われ続けた「志」がもたらした、ゆるふわだった私の変化

加えて、大学院では常に「志」を問われ続けた。
志とは、いつか自分が死ぬまでの残された時間を、どこで誰と何に時間を使うのか、ということだそうだ。
ゆるふわ生きてきた私は問われる度に狼狽していたが、最近「パワフルにキャリアを創造する私の背中で若い女の子たちをエンパワーメントし、ガールズパワーで日本社会を盛り上げたい」と思うようになった。

元々私は幼い頃から母親に「女の子だからそんなに頑張る必要はないよ、楽しく生きればいいよ」と言われて育ち、自分は専業主婦になるものと思っていた。
これは私にプレッシャーを与えないための発言だったと推測するが、良くも悪くも私の人格形成に多大なる影響を与えた。
良かったことは、超楽観的に育ったこと、何も臆せず新たなことに挑戦出来るようになった。

一方で少し残念だったことは、ただ就職して結婚して幸せな家庭を築けばよいと思考を停止させ、社会に対して自分に何が出来るのか、自分は何をしたいのかを考えることを怠ってしまったことだ。
そんな私の変化を発信することが、過去の私と同じような志迷子ちゃん達の何かのキッカケになれば、と僭越ながら考えている。

海外駐在帯同を見据えて、起業を計画。英会話とネイルの練習開始

次に結婚について。
先日旦那さんから「もしかしたら数年後にインドネシア駐在になるかも」と相談を受けた。なにそれ!大賛成である。どんどん新たな経験を積むべきだ。
今は子供がいないけれど、仮にいたとしても、旦那さんと離れたくない私に、ついていかないという選択肢はない。

そうしたら私のキャリアはどうしよう?改めて考えた。
なんだかんだ仕事は大好き、ずっと働き続けたい。
海外駐在帯同を機にキャリアを諦めることは避けたいなぁ……。
それならば、現地で起業をしよう!
私一人で、自宅にいながら働ける、スモールスタートの事業であれば未経験の私でもなんとか出来るかもしれない。
興味のある美容の分野がいいなぁ、ネイルかまつ毛か。
ネイルであれば今から仕事の合間を縫って独学で学ぶことが出来そう、ネイルにしよう!
……これが、冒頭の宣言の背景だ。

2022年、彼がインドネシア駐在になるかは全く分からない、ならない可能性の方が高いかもしれない。
しかし、早速私は英会話とネイルの練習を始めた。

今年も実りある1年になりますように。