コロナで海外に行けなくなった今、過去が夢だったのではないかとさえ感じる。今が異常な世界なのに、過去が異常だったかもしれないと思うほど光が見えない今の時代に、少し慣れてきている自分がいるのだろうか。
海外旅行はリセットするための手段で、自分を解放させてくれた
趣味の持てない私がいつからか没頭したのが海外旅行。
人、言語、食事、匂い、環境、文化……何もかもが日本と違う“異世界”が面白かった。
今の自分が知っている世界が全てではないことを実感でき、価値観、考え方、捉え方に新しいエッセンスを加えてくれた。
社会人になり、考えることが増えた。また慣れない環境、相手に対して気を遣うこと、感情を思った通りにぶつけられないことが自分を苦しめることもあった。そんな時、救ってくれたのが海外旅行であった。海外へ行くことで今の世界を客観的に捉えることができ、悩みを晴れさせてくれた。自分を解放させてくれた。海外旅行は自分をリセットするための手段であった。そこがさらに没頭していく要因だったかもしれない。
自分を解放させてくれる一つに、旅先でのハプニングが挙げられる。
私の旅行は必ずと言っていいほどハプニングが付いてくる。
ここまで自分に降りかかるのはむしろ強運なのではと思うレベルで災難に見舞われる。
今やそんな荒波さえ恋しくなる世の中だ。
各国で起こった忘れられないハプニングたち。恐ろしいこともあるけど
中国では、北京首都国際空港にて帰りの飛行機を逃した。
当日便はなく、名古屋行きの最短は明日のビジネスクラス2席のみと。
女5人組でクレジットカード保持者はゼロ、中国語も皆初級レベルで、唯一話せる単語「没有钱(=お金ない)」を従業員に連呼しまくった。
タイは異常に凶運。タクシーにぼったくられる。予定するはずだったツアーが満員。行く予定だったマッサージ屋が閉業。友達の誕生日を祝うため持っていったプレゼントは注文品と全く別物だった。
韓国から帰ってきたときは、帰国便が遅れた結果、帰宅した10分後には荷物を詰め替え、東京行きの車に乗り込んだ。5日間飲みまくり疲弊した体を、1泊2日の東京観光&ディズニーへ持っていくといういじめ。
まだまだ起こるハプニングの数々。内緒にしたい話もあって…
アメリカは、10日間のアメリカ旅行もいよいよ終盤。グランドキャニオンに向かっていた旅行8日目、ついに気づいてしまう。「え?待って、最終日うちらホテルなくない?」。チェックアウト日を間違え路頭に迷う最終日。ラスベガスじゃなかったら……恐ろしい。
シンガポールでは、トランクが中国に置き去りになった。飛行機が遅延。トランジット時間が30分のみに。場所は北京首都国際空港、おっと2年前再来かと思いきや前回の教訓を活かし、全力で走りまくり優先搭乗に成功。結果、荷物は中国で置き去りに。空港で買ったマカロンがぐちゃぐちゃになっていたことを忘れない。
韓国(2回目)ではインフルエンザ発症。今回に限って海外旅行保険に入らず渡航。もちろん韓国の病院など分からず、たまたま出会った韓国人が助けてくれることに。おしりへの注射、検疫所への連行などさまざまな初体験誕生。ちなみに診療直後にクレジットカード紛失に気づき、明洞へ繰り出す。なんならちゃっかり買い物までしてウイルスをばら撒き散らしたのは内緒。
ハプニングのおかげで私は生き生きできる。切実に海外に行きたい
他にも数えきれないほどのハプニングが満載。
これらは言語が違ったり、常識が違う海外だからこそ起こりうるもの。
ハプニングは私を生き生きとさせてくれる。
生命力をふんだんに駆使し、その時を全力で生きさせてくれる。
全力の喜怒哀楽を沸き出してくれる。
それこそが自分をリセットさせてくれる手段なのだ。
私に旅が必要な理由。
海外に行きたい。切実に。