壁に追突した瞬間に覚悟した死。ショックから3週間仕事を休むことに

2022年1月某日、私は交通事故に遭った。

その日の路面状態はつるつるでスケートリンクそのもので、スリップ事故は100件近く起きていたらしい。
私は陸橋を下っていた。そこで、ブレーキが効かなくなり、このままじゃ追突すると思い、咄嗟にハンドルを左に切った。そして、端の壁に激突した。幸い他の人を巻き込むことはなく、単独事故で済んだ。

それから2週間近く地獄の日々が続いた。怪我は首や腰が軽くむち打ちになってしまったくらいだった。その事故がなければ次の日からは、出勤のはずだった。
しかし、精神的ショックが大きく、結局12月の仕事納めから3週間も仕事を休んでしまうことになった。
他の車に追突するよりはいいと思い、ハンドルを切った自分の判断を間違ったとは思っていないが、壁に激突した瞬間は本当に死を覚悟した。

ショックな出来事が重なり、とにかく孤独だった時に起こった事故

今回は、単独事故で大きな怪我はなかったが、もしかしたら今度は他の車にも迷惑をかけてしまうかもしれない。あんなに運転が好きだったのに、しばらくは運転もしたくないと思っていた。

原因は事故だけではなく、他にもショックな出来事が重なったからなのだが、その時期はとにかく何もやる気が起きなかった。
起きてるのが辛い、外に出たくない、食欲もない、好きな曲を聞いたり本を読む気力も起きなかった。家にいてもただ寝てるだけで、たまにスマホでボーっと動画を見たり、1人の時は大声で泣き喚いたりしてみた。

とにかく孤独で、でもかといって友達に連絡する気にもなれなかった。

吐き出したくなると実家の母親に電話をした。電話といっても、ただ「辛い、苦しい」と言うだけでその他はほとんど無言だった。寝ることもできない、食べることもできないしで、私はこのまま弱ってしまうのではないかと思った。いっそ死んじゃおうかとも思った。

事故でたくさんの人の優しさに触れた私は、少しずつ回復できている

そんな生活を2週間ほど続けていると、少しずつ気持ちが楽になっていった。
前よりも起きている時間も長くなってきて、近くのコンビニに買い物に行くくらいならできるようになった。食欲も出てきた。
少し回復してくると自分が今「生きている」というありがたみを感じることができた。周りの人の優しさにも気づけた。

母親を始め、父親も直接「大丈夫か?」とは言ってこないけど心配してると言っていた。友達もすぐに心配のLINEをくれたし、職場の人も「もう少しゆっくり休んだ方がいいね」と言ってくれた。事故に遭ってから趣味の活動にも行ってないけど、「みんな心配してるよ。手助けできることがあれば言ってね」と言ってくれた。

本当に周りの人にたくさん迷惑をかけてしまったけど、今の私はたくさんの人の優しさでできてるんだと思った。

まだ、完全に回復とまではいっていない、でも事故当初の地獄のような日々に比べたら回復に向かっている。一時期は本当にもう無理だと思っていたけど、今までだってもう無理だって言いながらやってきたじゃないか。
私はこの事故で、たくさんの人の優しさに触れることができた。だから、それを少しずつ返していけたらいいと思う。私は、休業期間中にこれを自分への戒めとして書いている。

1つ言うことがあるとすれば、ただでさえ少ない給料の半分が車の修理代に消えたことだが。