わきまえない女の日常は、いつも、ゆったりと忙しい。

社会が1秒ごとに強要してくる「わきまえること」をしなやかにかわし、したたかに、そしていつも微笑をたたえた、わきまえない女でいるには、パワーを蓄え自分のペースを保ちアンテナを張り、常に「自分はどうしたい/どうありたいのか」を知っていなければならないからだ。
そしてそれを成し遂げるのは、目まぐるしく動いていくこの世の中において、かなりの至難の技だ。
「絶えずあなたを何者かに変えようとする世界の中で、自分らしくあり続けること。それがもっとも素晴らしい偉業である」と、かのエマーソンも言っていたように。

自分の内面が安定することが第一の優先事項。そのために大切なこと

わきまえない女でいるには、まずは自分の内面が安定していることが第一の優先事項。
私が考えるそのために一番大切なことは、毎日たっぷりと眠ること。私はかなりのロングスリーパーなので、理想を言えば毎日10時間くらい眠りたいのだけれど、最低でも7時間は寝るようにしている。
この年になって気づいたけれど、世の中に睡眠を削る価値のあるものなんてほとんどないと思う。どんなに好きな恋人と過ごしていようと、睡眠の方が大事。
睡眠が足りていないと、自分が本当にしたいことがわからなくなってしまうからだ。そうなると、外の世界のノイズが入り込みやすくなってしまう。

睡眠の次に大切なのが、ごはん。ごはんは、自分のフォーカスを自分に向けるいいトレーニングになる。
一人でご飯を食べていようと、誰かと一緒に食べていようと、自分の心にじっと耳を澄ませて「今自分が本当に食べたいものはなにか」を知ろうとする。そして本当にそれだけを食べるようにする。
冷蔵庫に残っているお豆腐の賞味期限が近いから食べちゃわなきゃ、なんてことは考えずに。コツは、食べたら自分が一番喜ぶものはなんだろう?と考えること。小さいことかもしれないけれど、これを繰り返していると自分のしたいことがクリアになっていく気がする。

運動後に感じるすっきりとした気持ち。体を動かすことも大事

その次に大切にしたいのが運動だ。
本当は朝から散歩したりランニングしたりするのが理想なんだろうけど、無理なことはしないのも、わきまえない女であるには大事。変に無理してがんばったりして、大事な場面で自分の心の声が聞けなくなってしまったら本末転倒だからだ。
私は仕事終わりに、ランニングやウォーキングをしている。時々は音楽を聴きながら、また時々は耳の横を通り過ぎる風の音に耳を澄ませながら。何台もの車が一斉にすぐ横の車道を走っていく音を聞くのもいい。
自分が誰にも気づかれない透明人間になったみたいな、どうしようもなく心許ない気持ちと、それでもこの広い東京の中に、走り終われば確かに帰る家があるという安心感とが、交互にやってくる感じもまたいい。
仕事でも人間関係でも恋愛でも、頭の中にもやもやと渦巻いていたものが、ランニングを終えて家に帰り着く頃にはすっきりとしているから体を動かすって大事だ、と思う。

わきまえない人とは、どうしたいのかを考え続け、信念に従い生きる人

わきまえない女、というか、わきまえない人、というのは、つまるところ、自分はどうしたいのかを常に考え更新し続け、自分の信念に従って生きている人のことだと思う。最近観た、トーベ・ヤンソンの半生を描いた映画"TOVE"のポスターにも書いてあった。「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」。

一人ひとりが自分のしたいことがなにかを見つめることができたとき、社会の「当たり前」という名の雑音を軽やかに聞き流し、誰にも遠慮なんかせずに、自分らしく思いっきり輝いてしまえるんだと思う。
そのために、わきまえない女は、日々、虎視眈々と、自分の心を見つめるための土台作りに励むのである。