私からは、今どきの「わきまえないJKの日常」をお伝えしようと思う。
暴走族やツッパリ、アムラーやガングロギャルもいない一見静かなこの時代に、高校という小さな社会で何が起こっているのか。ネットには書かれていないリアルを赤裸々に綴りたい。まだ社会も知らないガキが、わきまえない主張をもってお話しする。
題材は、「痴漢と盗撮」「恋愛事情」「孤独」だ。
まず自己紹介をしたい。私は埼玉県の郊外に住む18歳。高校3年生。
通っている学校は、一般家庭の子が集まる偏差値は中の上くらいの高校。特に荒れているわけでもなく、たばこや夜遊び、暴走族などは聞いたことがないような平和な環境だ。
日常的に行われる痴漢と盗撮。一方的に性的な搾取を受けるJKたち
このような一般的な学校の中でなにが起こっているのか、今の時代ならではのリアルを知ってほしい。
「まえの人、撮ってるかな」
「いやでも角度的にはとってなさそう~」
「それ私こないだもあったわ~」
学校帰りの電車で友人たちとこのような会話が日常的に行われている。話題は、痴漢と盗撮。私の周りにも、学校へ通う道中に痴漢や盗撮に遭った、または未遂をかけられたという子は多い。
その多くは、耐えるか、さりげなく避けるかなどの応急処置で、面倒くさいからと通報なんてしない。だからJKたちは、痴漢しそうな人のしぐさや、スマホの角度に敏感だ。
社会では、各種ハラスメント撲滅やジェンダー平等がメジャーになってきているのに、痴漢はいなくなっていない。以前Twitterで、痴漢に注意しよう、スカートをはくときはカバンを後ろに持ちましょうというポスター画像が話題に上がった。
なぜ被害者が気を付けなければいけないのか、という疑問が一つ浮かぶ。撲滅しなければならないのは、痴漢されやすい恰好ではなく、痴漢をしようとする犯罪の概念と、不正に盗撮された動画が売買されている悪質なサイト等のはずだ。
女子高生という生き物が、一方的に性的な搾取を受けなければいけないという事実に、黙って耐えることを身の程をわきまえるというのなら、絶対に従いたくはない。
出会いの定番であるSNSは手軽な反面、本当にいい人ばかりではない
二つ目に、JKの恋愛事情だ。いまどきよくある恋愛の始まり方は、学校行事や席が近いからとかではなく、SNSでのやりとりが定番だ。
最も多い出会い方を紹介しようと思う。まず、Instagramのストーリー機能でコメントを募集しているところに反応する→ダイレクトメールで会話→ライン交換→電話の流れだ。
同じ学校でなくても、共通の知り合いがいるなどのきっかけを通じて知り合う。それぞれがInstagramを自分のプロフィールとして公開しているから、共通の話題も見つけやすいというのが特徴だ。
メリットとして、自分以外にライバルがいないか確かめることができることや、リアルタイムに相手の行動が分かることが挙げられる。映えるスポットがあるからとデートに持ち込むのも鉄板だ。
しかし問題は、本当にいい人ばかりではないということだ。SNSといっても、学生向けの出会い系サイトも存在しているし、相手が高校生かも定かではない。楽しくメッセージをしていても、相手にとっては掛かった一人に過ぎなかったり、体だけいいように利用されて終わるケースも多いのだ。
孤独を埋めるため愛を求める少女を、笑顔で救って
個人間の恋愛で終わればまだよいが、商用に利用されたり、お金を得るためにパパ活に手を出す子もいる。聞こえは良いが援助交際だ。
こうした、若さを利用すれば簡単にお金が手に入ってしまうことを知ることが、将来にとってどれほどの損失かを理解していない。
そして驚くのは、ヤンキーとか派手な子ではなく、一見おとなしそうな普通の子がやっているということだ。目の前の数万円を得るために失っているものは計り知れない。入り口は広く簡単だが、出口は狭く険しい。
「かわいい」「好きだよ」「会いたい」の言葉を一瞬でもくれるから、少女は男性のもとへ行こうとする。でもそれはただの下心だ。半分気づいているのに、さみしさを埋めたいから、愛がほしいから繰り返してしまう。
私は自分の身の程をわきまえないで言いたい。女の子を守る方法は一つ。保護者からの分かりやすい愛情だ。
「行ってらっしゃい」と笑顔で見送るとか、「よくやったね」と心から認めるとか、「ありがとう」と目を見て伝えるだけでいい。お金や栄養バランスの整った食事や広い環境よりも、笑顔で存在を肯定してくれる絶対的な存在が、10代を救う。
あなたの身の回りに女子高生がいたら、親じゃなくてもいいし、明らかに困っていそうじゃなくてもいいから、笑って、何かからかってやってください。SNS時代に生きる、孤独な女の子を救ってください。