3人兄妹の末っ子の私は、26歳になるまで大人に甘やかされて育った

大人との距離感を、難しいと思ったことはなかった。26歳になるその日までは。
3人兄妹の末っ子、上2人とは10歳以上も離れた環境で育った私は、とにかく大人に甘やかされて育った。
「かわいいね」「若いっていいね」。何をしても「まだ若いから」という理由で許された。
それが私にとって当たり前で、この環境に生まれた私だけの特権だと思っていた。

しかし、それは違ったのだ。
後輩が出来るにつれて、周りが可愛がる対象はそちらに移っていった。どんなに仕事ができても、若くて可愛い子にみんな群がった。
「くだらない」と思いつつも、「あぁ、私も昔はこうだったのか」と振り返る。
「結局、みんな若い子が好きなのね。というか、若い子と話せてる自分が好きなのか」
と、嫌な自分が顔を出す。

恋愛対象が年上な私は、無条件に可愛がってもらえることを知っていた

一人寂しくため息。
そんな私には5年も彼氏がいない。
恋愛対象は絶対年上。
それも10歳以上。
それはきっと無条件に可愛がってもらえると知っていたからかもしれない。
あぁ、なんて嫌な女。
自分の若さを武器として振り回している。
気づけば同い年の子たちは結婚、出産とステージを駆け登っていく。
年上が恋愛対象の私にとって、バツなしで彼女がいない男なんて何かしら問題があるようにしか思えない。
更にため息。

大人との距離感というか、人との距離感を難しく感じているような気がする。
生きるってこんなに複雑なことだっけ?
人は平等に年をとる。
年を重ねるごとに可愛がられることはなくなっていっても、不思議と嫌ではなかった。
なぜなら、「可愛がられる自分」から早く卒業したかったから。
正直、若さを理由に絡まれることが鬱陶しかったのだ。

もちろん、全く可愛がられなくなることや、おばさん扱いされるのは嫌だ。
でも、いつまでも甘えてなんていられない。
私だって頼られたい。

絶賛成長中の甘ったれな私。若さだけが取り柄の女にはならない

可愛がられる側から可愛がる側になりたいのよ。
それに、「妹みたいにしか見られない」という理由で振ったあの人を見返したい。
私だって大人よ、大人のレディよ、ってね。
真っ赤なリップも高いヒールもブランドのバッグも、若い私にとっては「背伸びのアイテム」でしかなかった。
でも今ならほんの少しは私にも合ってきてるのかな?
なんて都合よく考えてしまう。
きっと人生は、おばさんになってからの方が長い。
大人との付き合いというのは、周りの大人だけではなく、大人になった自分との付き合いでもある。

まだまだ幼稚な自分の心に鞭を打って、耐えねばならない時もいつか必ずやってくる。
だけど、そんな辛い思いをしても得るものも必ずある。
「若さだけが取り柄の女」には絶対になりたくない。
中身が空っぽな女なんて絶対に嫌。甘ったれな私の、成長日記。
ただいま絶賛成長中。
いつか大人になったね、と微笑みかけてほしいから。