あと1ヶ月で20歳になる。
私が今まで生きてきた中で、とても苦しい時期はいくつかあった。先行きが見えず、何をしているのかわからなくなってしまった受験期は、ひとつ頭が抜けて苦しかった時期であったと思う。

塾には元彼、家には嫌味を言う母。受験期は心の休まる場がなかった

私は中学生の頃、勉強ばかりを頑張っていたが、そのために真面目と言われるのがなんだかとても嫌だった。その反動か、高校に入学した後は勉強に対して積極的に取り組む姿勢を失ってしまっていた。
小さな頃から大学に行くのが普通だと思っていたため、高校三年生になってやっと受験のために勉強を始めた。一、二年生で頑張らなかった分を取り返すために、私は人一倍頑張る必要があった。

そんな中、高校三年生になって当時付き合っていた彼氏と別れ、その人はすぐに新しい彼女を作った。彼に対する未練も切れない中で同じ学校、同じ塾、嫌でも目に入ってしまう環境は私の精神的余裕をなくすのに十分だった。志望校のレベルまで上げていくために勉強に取り組んでも、すぐに目に見えて効果が現れるわけではなかったので、五里霧中に走らされている気分だった。

点数が伸びたという話が交わされる教室の中、現実味がなく霞のような志望校合格という目標のために勉強を頑張る日々。家では塾のためにどれだけのお金がかかっているのかわかっているのかと母に嫌味を言われたりしていて、心の休まる場がなかった。

姉に「助けて」のメッセージを送ったことで気づいた丁度いい距離感

ここで話は少し変わるが、私には年子の姉がいる。
姉は非常にしっかりとした人物で、私は姉に迷惑ばかりをかけていた。そのせいもあって姉と私は元々そこまで仲が良くなかった。姉は東京ではなく北海道の大学に進学することを決めたため、大学進学とともに家を出た。
姉は北海道で非常に楽しくやっているようで、親から離れてのびのびとしている姉がなんだかとても羨ましかった。そんな楽しそうな姉に愚痴を聞いてもらうのもなんだか申し訳ない気がしていて、連絡の頻度は多くなかった。

だけどある日、本当にどうしようもなく苦しくなって、姉に「しんどい助けて」とメッセージを送った。姉は「そんなこと言われても」と言ったけど、丁寧に話を聞いて受験の悩みの相談にも乗ってくれた上に、友達が飼っているというかわいいチンチラの動画まで送ってくれた。

淡白な返信の中にも優しさが垣間見えて、心の底から私はこの人の妹でよかったと思った。
姉が実家にいた頃はもしかしたら距離が近すぎたのかもしれない、私と姉は離れたことでちょうど良い距離感で仲良くなることができた気がした。

一緒の時間が長く、家族で一番近い姉に照れくさいけど伝えたい感謝

そんな受験期を乗り越え、私も無事大学に進学したけれど、コロナウイルスの蔓延のせいで姉とはしばらく会えないままになっている。もうかれこれ1年以上は会うことができていない。

姉は次に大学四年生、私は三年生になる。就職活動が忙しくなる時期ではあるが、きっとしっかりしている姉の選ぶ進路ならきっといいものなのだろうと思う。
姉が疲れた時、苦しい時に支えになってあげられる人は既にたくさんいるけれど、どうしようもなく苦しいと思うときに、少しでも支えになってあげられる妹でありたいと思う。今までの感謝を返せるような妹でありたいと思う。

今は遠くにいるけれど、会えなくても大事な姉に変わりはない。一緒にいた時間がずっと長く、家族で1番近い姉。感謝を伝えるのは少し照れくさいけど、この感謝を全て伝えられる時がくるよう、言葉と行動で示して行きたいと思う。

今日の15:00、姉は北海道から東京に帰ってくる。お風呂を沸かして、待っている。