わたしの不安は、いつもお金のことばかりだ。

将来の不安はとにかくお金。特別苦労したというわけでもないのに

まわりが結婚ラッシュの中、わたしはパートナーもいない、取り残されたような不安感よりも、お金のことを考えてしまう。
もしも一生独り身だった場合、何歳まで働いて何歳で老人ホームへ入居するお金が必要だろう、思いのほか長生きしてしまったら一生暮らせるお金はあるのだろうか、そんな不安に襲われる。
両親はどれだけの蓄えがあるだろう。両親が歳を重ねてヘルパーさんを雇う必要があったり、老人ホームに入居しないといけなくなったり、急な入院が必要になったとき、どこからお金が出るのだろう。葬儀やお墓はどうするのだろう。
とにかく毎日お金の不安に襲われている。

わたしは、サラリーマンの父と専業主婦の母、2歳年上の姉と4人家族だ。
ありきたりの家庭環境。特別ひもじい思いもしたことはないが、決してお金持ちではない。本当に普通で、その普通さは今思えば恵まれた生活環境だったと思う。
お金がなくて生活に困った、という経験があるわけではないのに、なぜこんなにも不安なのかが自分でもわからない。

社会人になって初めて知った「どれだけお金がかかるのか」

お金について不安になるようになったのは大人になってからだ。
親元を離れると両親への感謝が目に見えるとはよく言うが、本当にその通りだった。
大学生になるタイミングで、わたしは家を出た。どうしても一人暮らしがしたいというわたしの希望で大学を選んで進学した。
近所のお姉さんたちを見ていたからか、大学生になれば一人暮らしができるもんだと何故か昔から思っていた。
何か勉強を極めたかったわけでも、就職したくなかったわけでもなく、高校生の後は大学生になるもんだと思っていたし、大学生になったら一人暮らしができると思っていた。
大学受験には失敗して行きたかった大学ではなかったけど、高校を卒業したら大学生になれたし、一人暮らしもできて、それなりに思い通りに進められたと、改めて両親には感謝しかない。
仕送りはしてもらっていたので大学生の間は、裕福でもないが不便もない相変わらずの生活を送れた。

でも、社会人になってからはわたしは完全に自立をした。
もちろん家賃も生活費もすべて自分で負担したし、引越しの手続きも1人でできるようになった。
それではじめて、わたしは親元から離れた自覚があったし、人間が1人生きていくのにはこんなにもお金がかかるのかと知ったのだ。
田舎出身のわたしが、就職のタイミングで都会に出て一人暮らしをしていることも、お金がかかる理由の一つだろう。

最初にも書いたが、母は専業主婦だったので家計の収入面は全てサラリーマンの父の収入だった。
わたしが大学生の間、実家に暮らす父と母と姉の3人の生活と、近くで一人暮らしをするわたしの生活を支えていたかと思うと、母の"やりくり"は正直想像も出来なかった。
父の収入は知らなかったし今もはっきりとはわからないが、わたしは会社員として人事の仕事経験があるため、中年サラリーマンのだいたいの年収は想像ができた。
わたしは今まで、悪気もなくあっけらかんと欲しいものを口にしては駄々をこねて手に入れた。大人になってお金の有限さを知ってからは、自分の過去のわがままさを思い出しては怖くなった。

でも地道に貯金はできず浪費。だからこそ足りない気持ちになる

そう言いながら、不安感にかられて地道に貯金をしているかというと、そうではない。いわゆる浪費家である。たくさん使ってしまうから、なくなってしまいそうで怖いのだ。働いて稼いでも稼いでも足りない気持ちになるのだ。
子供のころ培った"わがまま"が根付いているのだろう。我慢ができず使ってしまう。将来への不安が増す、の繰り返し。

ブランド物が好きだった友達の話。仕事への不満がなくなり、結婚が決まり、それ以降ブランド物を買いたい衝動がほとんどなくなったとのこと。
別の友達は、将来やりたいことが見えて新しい自分に出会えたから、ブランド物が必要なくなったと言った。

わたしはまだまだ自分を着飾ることが必要で、満たされない毎日を少しでも彩るためにお金を使ってしまうんだろう。
お金を使って少しでも満たされた気持ちになる。それがきっかけでお金に対する不安が生まれる。でもお金を使って着飾っていないと毎日が憂鬱。
負のループにどっぷりとハマってしまっている。
自分を着飾りながら将来への不安をなくす方法は、お金持ちになることしか解決策はないのかもしれない。サラリーマンに生涯年収があるように、収入に上限のある働き方ではなく、最近はパラレルワーカーという複業をしやすい環境ができているのはわたしにとって救いだ。
着飾ることも、将来への不安も、妥協せずに生きていくために、たくさん働くことや楽しく働くことはわたしの進む道なんだろう。

今日は日曜日。また明日から不安とともに働きに出る。