職場に同い年の同性の先輩がいる。その先輩は、仕事ができて、明るくて無邪気で、私の気持ちをすごく汲んでくれて、誰よりも尊敬できる先輩。
でも、プライベートでは月1ペースで2人で出かけるくらい仲良くしてもらっている。

職場では先輩後輩の関係ということもあって、2人で遊ぶ時も、最初から同い年という感じにすぐにはなれなかった。特に、一緒にご飯を食べると必ず理由をつけて奢ってくれたりとか、多く払ってくれてしまう。細かいのがないからとか、先にまとめて払っちゃうね、なんて言われて、私が後から払おうとしても受け取ってくれなかった。

初めての別会計。先輩との距離が縮まったような気がして嬉しかった。

それが、最近自然と割り勘にしてくれるようになった。今までは、私が荷物をまとめている間に先輩がお会計に行ってしまっていたのに、今では私が伝票を持って行って、別会計にしてもらうのがお店を出る時の流れになった。

密かに私は、この変化をすごくすごく嬉しく思っている。
職場の先輩後輩ではなく、同い年の友達という関係に近づけているような気がしたから。後輩として可愛がってもらって、奢ってくれることはありがたかった。
でも、もっと仲良くなりたいと思っていた私にとって、奢ってもらうことは、まだ気を遣われていると距離を感じてしまう瞬間でもあったから。気を遣わない関係に近づく、一歩のような気がした。

私の「してあげたい欲」も、妹にさみしい思いをさせてしまったのかなあ

ただ今考えると、状況は違えど、私も同じようなことをしていたかもしれない。
お正月に地元に帰った時、大学生の妹と2人で映画を見に行った。妹は実家暮らしでバイトもしていないから、自然と私がお昼代もチケット代も払っていた。すると妹が飲み物は私が払うよと言ってお金を出してくれた。私はありがとうと言いつつも、結局自分の分は自分で払ってしまった。

今思うと、あの時はありがとうと言って払ってもらえばよかったのかなとも思う。妹とは割と仲がいいと思ってるけれど、久しぶりに会うと「してあげたい欲」が顔を出してしまう。
地元にいる時はそうでもなかったのに、最近は一年に一回会うかどうかということもあって、余計にそう感じるのかもしれない。私は働いているんだからお金なんか払わなくていいよ、一緒に出掛けてくれるだけで嬉しいんだから、なんて思ってしまうようになった。
妹からしたら、久しぶりに会って、より距離を感じてしまったりしたのかなぁ、なんて思う。分からないけど。

お金は好意を可視化するけど、見えないもののほうが大切なこともある

お金は分かり易い。目に見えるものだから、払うのも、払ってもらうのも。してあげたい気持ちは、相手にとっては嬉しくもあり、少し寂しかったりもするのかもしれない。
どれだけ仲が良くても、してもらってばかりだと、なんとなく近づききれないなと感じたりするのかもしれない。
そんなことを考えながら、お金って難しいなと思う。そして、本当に仲良くなりたい人とは、お金の面でも対等な関係でありたいと思う。たとえそれが先輩でも後輩でも。奢る奢らないでどちらかが誘いにくい関係にはなりたくないと思うから。
そして、次に遊びに行く時も、また割り勘でお願いしたいと思っている。