最近、友人に勧められて久しぶりにはまったアニメがある。
呪術廻戦だ。その劇中で、ヒロインの釘崎野薔薇ちゃんがこう言い放った。

「男がどうとか女がどうとか知ったこっちゃねーんだよ!テメェらだけで勝手にやってろ!
私はキレイにオシャレしてる私が大好きだ!強くあろうとする私が大好きだ!
私は『釘崎野薔薇』なんだよ!」(「呪術廻戦5巻41話」)

このセリフがわたしにはとても響いた。
きっと今のわたしと重なるところがあったから。

ひとりの楽しみ方を見つけられたのは、彼に振られたあの日があるから

わたしは、ジムニーに乗ってる自分が大好きだ。自慢の愛車であり最高の相棒であるジムニーに乗って、自分が行きたいところに自由にひとりで行く。
これが「私の『ひとり』の楽しみ方」だ。
こう思えるようになったのは、あの日のおかげ。
3年付き合った彼に振られた、あの日から。

27歳のときに、3年近く付き合ったひとに振られた。
はじめて付き合った大好きなひとだった。結婚がしたかったわたしに対して、そういったことはまだ考えられないと言って、わたしの元を去って行った彼。
はじめての失恋。こんなにも胸が痛いことを知った。
大好きなひとから胸にナイフを突き刺されたように痛かった。

実は、別れる半年前に彼は車を購入していた。
本当はその車でずっと富士急ハイランドに連れて行ってほしかった。でもいつも仕事で疲れたと言って、結局最後まで連れて行ってもらえなかった。別れた後に「あーあ、最後まで連れて行ってもらえなかったな」と残念がった。
でも、そもそも「だれにか連れて行ってもらおう」という考え方がおかしくないかと、ふと気がついた。

結婚資金で購入したジムニーのおかげで、私の世界は広がった

自分が行きたいと思っている場所があるなら、「自分」で「自分」を連れて行ってあげればいいのではないか、どうしてそれを他人に委ねるのかと、そのときに思った。
だから、ジムニーを買った。即決だった。
別れる前から一目惚れして、欲しくてたまらなかったジムニー。
失恋した勢いで、結婚資金として貯めていたお金をはたいて、現金一括で購入した。
入金の際には、さすがに少し手が震えた。

大げさかもしれないけれど、ジムニーのおかげで本当に世界が広がった。
見える景色が変わった。自分の行きたい場所に、いい意味でだれにも頼ることなく、自分の力でいつでも自由に行けるようになった。

好きな人はいなくなったけど、本来の好きな自分が戻ってきた。
大好きだった彼はいなくなったけど、代わりに最高の相棒、ジムニーがわたしの前に現れてくれた。
おかげで自分を好きになることができた。
彼と付き合っていたときは、自己肯定感が本当に低かった。
満たされない心を彼で埋め合わせしようとしていた。
だから、きっとあなたもきつかったよね、ごめんね。今ならわかる。

わたしはわたし自身を幸せにする。ブルーのジムニーを買って気付いたこと

今は、自分で自分を幸せにできるようになった。
もう他人に自分の幸せや自己肯定感を委ねたりしない。
わたしはわたし自身を幸せにする。
まだまだ至らないところはたくさんあるわたしだけど、今まで生きてきた中で“今の自分”が一番好きかもしれない。
男性の運転する車の助手席にしおらしく座ることなんて、もうできない。
自分の行きたいところには、自分で行く。ひとりで楽しむことができる、今のわたしが好き。
そんなわたしのことを好きになってくれるひとが現れてくれたら、そのときはわたしがジムニーで迎えに行くから。だから待っててね。

今日も大好きなブルーのジムニーに乗って、どこまでも自由に走っていく。
野薔薇ちゃんに対抗して、こう言いたい。
「わたしはジムニーに乗ってる、カッコイイわたしが大好きだ!!」