私は4月から、地元でできる新たな仕事に就く。以前は地元を離れていたが、転職活動を経て地元に拠点を戻すことにした。今までの分野と異なる部分もあるが、やりたいと思える仕事を見つけられてホッとしている。
専攻を活かした業種に就職したが、ものづくりに携われなかった
私の身内のほとんどが技術系の仕事に就いていたため、私が理系を選択して技術系の職種を選ぶのはごく自然なことだった。その中でも機械系を選んだのは、「ものづくりへの興味」があったからだった。
小さいころから工場見学を取り上げる番組は欠かさずに見ていたし、その中でも機械の挙動がどのようになっているかについて最も興味がわいていた。
そのため、大学では機械科を選択して「ものづくり」関連の様々なことを学んでいき、就職先は、研究室での研究テーマに絡む内容のものを生産する会社に決めた。いわゆる総合機械メーカーというやつで、「ものづくり」の全工程に関わる技術を持っている会社である。
元々興味があって学んだ分野の知識が多少活かされたのもあり、数年のうちに仕事内容を理解して実践することは出来るようになった。しかし、そこでは基本的に個人のデスクで淡々と大量の仕事を捌いている状態だった。
知識を活かすこと、人の役に立つのが好きなこと。長所を還元出来ないか
安定企業で給料は悪くなかったので、お金を稼いだり家族を安心させる意味では悪い環境ではなかった。しかし、その時している仕事では元々やりたいと考えていた「ものづくり」のごく一部にしか携われず、製作の全体像については理解することができないと感じるようになった。
そのような内容の仕事をわざわざ地元を離れて頑張る必要があるのか、という思いも芽生えてしまった。
いつしか、「この仕事は辞めたい」「この先もこのままやっていけるのか」「地元に帰りたい」などと思うようになり、仕事のしていない時間は地元に戻れるような転職を模索していた。
そんな中、学生時代や前職時代を振り返ってみると、私は勉強で自分の知識を貯めたり活かしたりすることが得意だと気づいた。また、人の役に立つことも比較的好きなほうである。
それならいっそ、その長所を社会へ還元することが出来ないかと思うようになった。
転職し地元へ。生活の安定と社会貢献のバランスを取れた人生を
こうして「自分の力を社会へ還元する仕事に就く」という転職の目標を見つけ、昨年の後半でそれに向けた勉強や転職活動の準備をしていった。
精神的にも体力的にもハードだったが、それまでの状況を変えたかったので、勉強や準備は止めなかった。結果、転職は望み通りの形で成功して、晴れて地元に戻ることが出来た。
地元で新たに働き始めると決めた以上、勤務環境に関する言い訳は出来ない。それに、今までの仕事と両立しながら転職活動をして決めた仕事なので、体力や環境が許す限りは職場で役に立っていきたいと思っている。
しかし、個人的に一番大切なのは、「私自身の生活の安定」である。
仕事をすることで社会活動に貢献することは目指しているが、まずは自分の将来の生活環境を整えるために必要な知識を身に着けて、どのような道に進んでも困らないようにしておきたい。
せっかく仕事と私生活を両立できるような仕事を選んだから、双方バランスの取れた人生を歩めるようにしたい。今はそうなれるように試行錯誤をしている。