18歳のもぴちゃんへ
こんにちは、突然のお手紙にびっくりしたことだと思います。
突然ですが、わたしは10年後、28歳のもぴちゃんです。あと少しで29歳になるよ~。
どう?元気にしていますか、わたし。

10年前の今頃のわたしは高校卒業したてで、自動車学校に通う毎日を過ごしているかな。
高校卒業、おめでとう。3年間、進学校でよく頑張りました。

自動車学校の担当のおじさん先生、バイクに乗れないことを小ばかにしてきたり、ミスしたところを何度もネチネチ注意してきたりするから通うのが憂鬱になってるんじゃない?
今でも記憶に残ってるくらいだから嫌な気持ち、すごく分かる……行きたくないよねぇ。
でもね、時々はその先生も褒めてくれるし、ちゃんと免許も取得できるよ。
だからあと少し頑張って通うんだ!わたし!おじさん先生に負けるなよー!

あとは、4月から新たに始まる短大生活に対して。
「これから夜間の短大に進学するけど、やってけるかな、大丈夫かな……」という不安と、「本当は、志望していた県外の大学に進学したかったな」という後悔で、あんまりワクワクしてないよね?

そんな18歳のもぴちゃんに少しでもワクワクしてもらえるように、28歳のもぴちゃんが少ーしだけこれからのこと、こっそり教えちゃおうと思います!

夜間の授業と人生初のアルバイトで充実した短大生活

きっと心配してるであろう、これからの短大生活のことについて書くね。
春からわたしが通う夜間の短大は、今までの学生生活とは180度変わり、月曜から金曜まで毎日18時から21時10分まで授業を受けます。

それに加え、朝9時から17時までは和菓子屋さんで人生初のアルバイトをすることになるから、最初は慣れなくてものすっごくしんどいよ、とにかく眠たいよ。
脅すような書き方になっちゃったけど、本当に眠たくて眠たくてしょうがないんだから。

でもね、バイト先の店長も先輩たちもみんな厳しいけど優しい方々ばかりだし、そこで正しい言葉遣いや丁寧な接客マナーをたくさん教えてもらい、それがわたしの糧になります。
そして何より、お客様に和菓子を販売するという、この接客のお仕事が楽しくて大好きになるよ。だから、昼間にアルバイトをして夜間に勉強する生活にもすぐ慣れるはず!

ただ、和菓子は食べすぎ注意!(笑)。
授業後だからどうしても夜遅くになってしまう晩ご飯と、バイト先で店長がくれる廃棄になってしまった和菓子をいっぱい食べて、5キロは確実に増えちゃうだろうなぁ。
あぁ、今でも写真を見返すと今より顔がまんまるで、ふくふくしちゃってる……(涙)。

夜間の短大を選んだからこその貴重な経験が実を結ぶ

この学部に進学した理由は、学費が自分で賄えそうだったから。
保育士になりたいと思ったことも、地域創生について学んでみたいと思ったことも、あったね。当時のわたしはとにかく色んなものに興味を示していた学生だったと思う。
だけど、保育士資格を取得できる短大は私立だし、地域創生について学べる大学は県外だし、家庭のお金事情や家族のことをぐるぐる考えながら高校に通う毎日。

担任の先生からも「行きたいところがあるのに、もったいないぞ」と言われて、クラスメイトからも「夜間の短大って大丈夫なの?」と心配されて、「私、やればできる子なんだよ、本当は我慢してるんだよ」って両親に分かってもらいたくて、その短大の推薦入試を受けて合格したんだったよね。ずっと我慢していたね。

“夜間の短大”って入学前の今はどうしてもマイナスなイメージを持ちがちかもしれない。
けれど、入学してからわたしが持っていたそのイメージはきっとがらりと変わるよ!
私と同じように高校卒業後そのまま入学した子が大半だったけど、市役所に勤めながら入学した子もいたし、わたしの両親より年上の先輩たちもいたなぁ。

幅広い年齢・職種の同級生と共に授業を受けたり、試験対策をしたり、社会人の同級生に就活のアドバイスをもらったり、こんな貴重な経験ができるのはこの3年間だけだから色んな人たちとたくさん話して、仲良くなれたらいいね。
そして、卒業して5年以上経った今でも連絡を取り合える大切な友達にも出会えるよ。だからそんなに心配しなくて大丈夫!

「夜間の短大だから」と、サークル活動も最初は諦めていたけれど、旅行に行くサークルに加入することになるよ!
インドネシアのバリ島やタイを訪れたり、屋久島に登山をしたり、旅行中にトラブルが起きたことも数え切れないほどあったなぁ。実際に足を運んでみないと分からないその国独特の香りや、そこで食べた料理や出会った人々は、今でも鮮明に思い出せるくらい大切な思い出ばかりだから楽しみにしていてね!

あ、バイト代は学費と旅費にほとんど消えちゃうから貯金も忘れずに!
サークルの部長や自治会の会長も務めることになるから、人前に出て話をする機会が多くなるよ。わたしは緊張すると、どもってしまうことがあるから練習しておくといいかもしれないね。

そして、卒業式では卒業生の総代(各学部の最優秀者)として登壇し、卒業証書を受け取るよ。
わたしが総代?って、きっと18歳のもぴちゃんはびっくりしているかな?

これからの3年間、わたしは学業に、バイトに、サークルに何でも全力で取り組むと思うんだ。
そして、その結果が3年後の卒業式に“総代”という形として現れるの。
お父さんも、お母さんも、妹も「頑張ったね、凄いね」ってたくさん喜んでくれるよ。

短大時代の経験を糧に28歳の今を全力で楽しんでいる

家庭のために、やむを得ず夜間の短大に進学したけれど、自力で3年間の学費を賄えたことが親孝行と誇りになり、バイト先で学んだ正しい言葉遣いや接客マナーが自分自身の糧となり、3年間で様々な土地を訪れた経験が自分の引き出しとなり、サークルの部長や会長を務めて人前にたくさん立った経験が自信に繋がり、3年間で出会った友人たちが今でもわたしを支えてくれている。

ちょっと先のことまで書きすぎちゃったかな、どうしても安心してほしくて(笑)。
今はきっと不安と後悔ばかりだけど、3年後はここに進学してよかった、と思えるはず。
どんな場所でも自分の置かれた場所で、全力を尽くせばそれがいつか自分に返ってくる。
だから大丈夫、春からわたしの未来に幸あれ!

え?これからの恋愛や仕事についても教えてほしいって?
それは自分自身でちゃんと経験して糧にしてほしいから、まだ内緒です(笑)。
それじゃあ、またどこかで。
28歳のもぴより

10年後は38歳かぁ。どんな女性になっているんだろう。
そして、38歳のもぴちゃんは今のわたしにどんな言葉をかけてくれるのかな。
楽しみにしながら、今の置かれた場所で全力で楽しみながら生きていきたい。