今の会社に新卒で入社して数年、思うことがある。
仕事の出来と人柄の良さは比例しない、ということだ。
そう思うと同時に、今自分はどのあたりに位置しているのかとも自問することがある。仕事の出来はどうか。人柄はどうか。それらのバランスはどうか、といったことだ。
それを考える度に、別に仕事は特に好きではないけれど、自分を客観的に捉えるための適切なものさしになる、と感じる。
仕事も出来るし人柄もとても良い、という人はほとんどいない
前置きが長くなったが、つまり、仕事が出来る人は人柄があんまりであり、逆に人柄が良いと仕事はあんまり、ということだ。
これを読む人の中にはいや、そんなことはないと思う人もいるかもしれない。勿論例外もあるし、私のいる会社においてのことであるのは理解してもらいたい。
実際、これまで同じ部署でずっと働いてきて、仕事も出来るし人柄もとても良い、という人はほとんどいなかった。ゼロではないが、ゼロに近い。そんな感じだ。
何人もの上司を見てきて、唯一と言っていいほどそれに当てはまる上司がいた。いつもすごいなと尊敬していたのだが、異動してしまったのだ。
その上司は女性で、いつもにこにこしていた。いつもである。しかも張りついた笑顔でなく、自然なのだ。いつも笑顔でも目が笑っていない人もいるがそのタイプではなかった。
リアクションも結構大きく、差し入れのお菓子などをもらうと一番に喜んでお礼を言っていた。でもわざとらしくなく、良い塩梅のリアクションだった。私が何か仕事をした時も、ありがとうとわざわざ言ってくれたりして、一緒に働いていて気持ちが良いといつも思っていた。そして、肝心の仕事も早く正確なのである。非の打ちどころがなかった。
周りに気を遣わせる人は、仕事が出来ても悪い意味で一目置かれる
この上司は良い見本ということになるが、逆もある。仕事は出来るが、人柄はあんまり、という人だ。あまり事細かに書くのも気が引けるのでここではやめておくが、例えば気分に波があったり、言い方がきつい人などがそうであると思う。
要するに一緒に働いている人に対して気を遣わせる人というのは、全員これに当てはまる。こういった人達は、いくら仕事が出来ても悪い意味で一目置かれてしまう。悲しいが事実である。
そういう上司の話に他の人となると、お決まりの流れがある。あの人は仕事は本当に出来るけれど、性格がね、とか言い方がきついよね、とかそう言われてしまうわけだ。そして、そういう人に限って、周りよりも仕事が出来るケースが多い。皮肉である。
ただ、そういう人がいることでこちらとしては、反面教師に出来るわけである。こんな態度をとられたら、嫌な気持ちになるんだ、と理解出来る。だからありがたくもあるのだ。
自分が嫌な気持ちになったり、もしくは他の人から似たような話を聞いたら、なるべく同じことをしないように心がけている。
仕事というのは、自分の立ち位置を折に触れて教えてくれる存在
自分が、仕事と人柄という要素においてどうであるか考えた時に、正直どちらも中途半端だなと思う。仕事がものすごく出来るわけでもなければ、人柄がとても良いわけでもない。それでも、一緒に働いていて気分屋であるとか、言い方がきついとかそういったことは思われていないだろう、と思いたい。自分ではそう思っている。
正直仕事のスキルを上げるよりも、性格を改善していくことの方が難しい。だからこそ、他人への態度がどうであるかをいつも顧みながら、接していくことが大切である。また、そういったことの積み重ねによって、信頼であったり人から必要とされる人に近づいていくことも出来る。
仕事というのは、そういった自分の立ち位置を折に触れて教えてくれる存在だ。それは自分自身の普段の行いによって良くも悪くも変化する。自分の悪い所にも理解がある友人とは違うわけだ。
だが、仕事によって、自分の立ち位置を理解して、人としてのレベルをあげると共に、誰かが私を見て見習いたくなるようなそんな存在になれたらいいな、とも、また思う。