全部ひとりでできる。全く寂しくない。「ひとり時間」は清々しい
一人旅、一人焼肉、一人カラオケ。ひとりで何かをすることがやたらと、特別扱いされがちな世の中。ひとりでするなら、何まで出来る?と聞かれたら、私は全部と答える。
一人旅、自由に気ままに、できて最高。一人焼肉、自分のペースで焼けて最高。一人カラオケ、同じ曲を5回連続で歌ってもブーイングされないから最高。私は生粋のおひとりさま最高なタイプの人間なんだ。
寂しくないの?と聞かれるが、全く寂しくない。全くだ。どうして寂しくないのかと考えてみると、もしかしたらひとりっ子だからかもしれない。
子供の頃から、ひとりで過ごす時間が長かった私は、様々なひとり遊びを生み出してきた。指を人に見立てておままごとをしたり、ひとりファッションショーをしたり、当時からひとり時間を満喫していた。ひとりで過ごすことに抵抗がないまま、大人になったから今でもひとりを満喫できるのかもしれない。
別に、友達といても自由に過ごせるけど、やはりひとりでいる時の自由さは清々しいものがある。
「一人」ではなく「独り」になったとき、私は急に怖くなった
コロナ禍になり、在宅勤務がメインになると、本当にひとりで過ごす時間が増えた。朝起きて、家で仕事をして、ひとりでご飯を食べて、ひとりでテレビを見て、ひとりで眠る。一言も発さない日が増えていき、ある日あくびをしたときに久々に出した自分の声に違和感を覚えた。
私、こんな声だっけ?
なんだか急に怖くなった。初めて、ひとり時間が嫌になった。
今、私は「一人」じゃなくて「独り」だ。初めて感じた、どうしようもない孤独感。
ひとりは楽しいけど、独りは寂しい。このままではひとりに心を殺されると思い、私は慌てて友達に電話をかけた。電話越しに聞く友達の声は、いつもと変わらず安心した。
あ、私今、人と話してる。くだらないことで笑えてる。久しぶりに声を出して笑ったな。と、なんでもない友達との電話に心が救われた。電話をしなかったら、私は孤独感に潰されていたかもしれない。
独りが怖いときは人と話す。孤独じゃないとわかると心が温かくなる
ひとりで過ごす時間が長くなってから、私には趣味が増えた。
ウクレレ、ビーズアクセサリー作り、クロスワード。どれも中途半端だが、飽き性の私にしては特にこの3つは長く続いている。家の中に材料などの物が一気に増えたが、これもこの長いひとり時間を楽しむために必要なものだと割り切っている。
子供の頃はもっと上手くひとりで遊べてたのになと思うが、大人なりに一生懸命に孤独をまぎらわしている自分を褒めてあげたい。
コロナ禍が明けたら、しばらくはひとりで過ごすのではなく二人、三人、大勢でワイワイと過ごしたい。コロナ禍にならなかったら、きっとこんなこと一生思わなかったと思う。そういう意味では、自分の価値観を変えるいいきっかけだったのかもしれない。
生きていると、ひとりになりたい時もあれば、誰かといたい時もある。ひとりを楽しめなくなって、辛く寂しくなったときは、すぐに誰かと繋がってほしいと思う。親でも、友達でも、いきつけの美容室の美容師さんでも、誰でもいいので、誰かと少しだけでも話してみてほしい。
あ、私生きてるな。大丈夫、独りじゃないと少しだけでも心が温かくなると思う。
人はひとりでは生きていけないというのは、こういうことなのかもしれないと私は改めてこのコロナ禍で思った。