特集:いま一番欲しいもの

ひとりでいることが楽しい私に父は言った。「家族を持ちなさい」

いま一番欲しいもの

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好きなように生きていたいから、パートナーは「面倒」と思っていた

この「いま一番欲しいもの」というテーマをみた時にパッと思いついたもの、それは「パートナー」だった。

私は今年の春から社会人になる。
3月に大学院を卒業し、名前を言えば「優秀だね」「高収入だね」と言われるような企業に就職をする予定だ。
それなりの学歴と留学経験、私の将来は比較的明るいのかもしれない。
将来結婚するにしろしないにしろ、欲しいものは自分で買いたいし、誰かを頼って生きたいとも思わない。
1人でいることが苦ではないし、むしろ楽しい。
固定概念に縛られることなく、自分の力で好きなように、好きなことを学び、柔軟に生きていきたい。
将来の漠然とした目標もある。
こんな女性になりたい。世の中に対してこんな風に貢献したい。
そのためにいつかまた学び直したい。色々なところに行って、色々なものを見たい、感じたい。たくさんの経験をしたい。

そんな私にとって、恋愛は面倒なものでしかない。
いつか結婚はしたい、子供は欲しいと思いつつ、そこまでに至るプロセスが面倒くさい。
男女の駆け引き、傷つき傷つけること、連絡が遅くてイライラすること。
今の私の生活に恋人が入ってくる余地はない。入れたいとも思わない。
自分の好きなことを、好きな時に、好きなようにできなくなるのが結婚ならば、私はあえてそれを選択するだろうか?

それでも、お互いの成長のために求められるような存在が欲しい

今まで、こう思ってきた。結婚に対して、恋愛に対して、ネガティブだった。
むしろ、恋愛を面倒なものと認識することによって自分を肯定してきたのかもしれない。

でも、最近は「パートナーがほしい」と心から思うようになった。
人生をともに歩むパートナー。
時として面倒な存在にもなるのかもしれない。
それでも、お互いがお互いの成長のために求めあえるような、私をより強くしてくれる存在。
パートナーとはそんなものなのではないかと思う。

私はよく、活躍している女性の先輩方の記事や本を読む。
多くの先輩方がパートナーを支え、そして支えられ、子供も育てている。
ああ……やはりパートナーの存在は大切なのかもしれない。

仕事人間だった父の「家族を持ちなさい」という言葉が後押し

そして、私の父の言葉も「ほしい」という気持ちを後押ししている。
仕事人間だった父は、私の進路や決断にほとんど口を出したことがない。
実家で暮らしていた頃は、生活リズムが違いすぎて、顔を合わせずに1日が終わることも珍しくなかった。
そんな父が私に放った一言は「家族を持ちなさい」であった。
「家族を持つ、守るものができるということは大切なことだから」
私に口出しをしたことのない父の些細な一言は、とてもインパクトのあるものだった。
「お前は勉強ができて、優秀で羨ましいな。たくさん選択肢があるんだろうな。でもね、家族は持ちなさい」

パートナーに対して「ほしい」という言葉を使うのは間違っているのかもしれない。
欲していれば現れるような存在ではないのかもしれない。
でもきっと、まだ見ぬパートナーの存在が私を強くしてくれる。
1人で生きていくことよりも面倒だけど、より人生を豊かにしてくれるのかもしれない。
私も誰かのそんな存在になりたい。

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