ひとりの時間をつくり、心の声に耳を傾けて自分と上手に付き合う

私は、ひとりで過ごすことが好きです。コロナ禍以前は友達と一緒に過ごすことが苦手な自分を責めることもありましたが、いろいろな出来事が重なり、今はひとりで楽しめる自分が好きになりました。

私は繊細な性格なので、常に周りの状況や人の様子を気にしてしまいます。仕事中も上司・同僚の様子や、職場の雰囲気などを過剰に窺ってしまい、勝手に疲れていることが多いです。そのため、休日はひとりの時間を過ごし、エネルギーを回復させるようにしています。
もちろん誰かと一緒に過ごすことも好きです。自分では気付かなかったようなことを聞かせてくれたり、同じものを見たり体験したりして、話せる相手がいることはとても楽しいです。
しかし、私の場合は休日である土日のうちどちらかはひとりでいる時間をつくらないと疲れてしまうので、心の声に耳を傾けて、自分と上手に付き合うようにしています。

休日はひとりでよく出かけます。植物園や銭湯に行くことが多いですが、最近は「文学フリマ」という自主制作された文学作品が集まるイベントにも行きました。
ひとりだと行きたいところに自由に行けるし、あまり興味のない友達に気を遣わずに時間を過ごすことができるのでとても気楽です。
なにより一番楽しいことは、自分の好きな場所で新しい友達ができることです。文学フリマでは、エッセイの執筆者の方とお話しさせていただき、友達になることができました。

一度入れば、「ひとりで行けた」という満足感や達成感が

さまざまな場所に行くのですが、その中で特に私が好きなのはひとり飲みに行くことです。
私はお酒を飲むと繊細な気質が少し鈍くなることもあり、週末にお酒を飲むことが多いです。
最初ひとりでお店に入ることは勇気が要りました。気になっているお店がありましたが、何日も前から中をのぞくだけで入ることができずにいました。お店に入る前に電話をかけて「女性ひとりで行く人もおられますか?」と聞いてから行ったこともありました。

しかし、一度入ってしまえば一気にハードルは低くなり、ひとりで行けたという満足感や達成感を得ることができました。女性ひとりで飲みに来る人は比較的めずらしいようで、常連さんが生牡蠣を食べさせてくれたこともありました。私はこれまで生牡蠣を食べたことがなかったため、このような体験ができたことに驚きました。

他に仲良くなったお友達の方は、1年ほど前に引っ越してきた私に地域のことをいろいろ教えてくださいました。住んでいる地域で友達ができたことで自分の住んでいる場所がより好きになりました。仕事のことなどをゆるく相談できる自分の居場所もできて嬉しくなりました。

いろんな場所でいろんな人に出会い、自信が持てるように

私がよく行く飲み屋の常連さんたちは、お酒を飲みながらも今お店の方が忙しいかどうかや、他のお客さんの様子を気にしながら楽しまれているようでした。
気が緩みがちな場所ではあるけれど、自分だけが楽しかったらそれで良いというような考えの方はいないようで、お客さんも一体となってお店づくりをさせている点がとても素敵だと思いました。
友達と飲みに行っているときには気が付かなかったような豊かな人間関係を発見することができ、これからの自分の人生で活かしていきたいと思っています。

ひとりでいろんな場所に行って、いろんな人と出会えたことで、これまでより自分に自信が持てるようになりました。
私は友達が決して多い方ではないし、人に気を遣いながら仲良くするのも苦手なので、自分はだめな人間なのではないかと思っていたこともありました。しかし今は、ひとりで好きな場所に行くことができるし、新しい人とゆるくつながることができる能力があることに気が付くことができました。

今はコロナ禍で状況により行ける場所に制限がありますが、これからも出会えた場所や人を大切にしていきたいと思います。そして、どんどんいろんなことに挑戦して人生を楽しんでいきたいです。