わが家が、生ごみを捨てない生活を始めて2ヵ月。コンポストの存在がすっかり当たり前になり、もはや生活の一部となっている。

きっかけは夫。結婚前からコンポストに興味があったらしい

コンポストを使い始めたきっかけは、夫の一声だった。
結婚する何年も前からコンポストに興味があったそうだが、住んでいる環境からなかなか実現できずにいた。職場でも自発的にSDGsの取り組みを調べているのは知っていたが、その強い思いに正直驚いた。
生まれも育ちも田舎で、幼少期祖父の畑で遊びまわっていた私も、夫の話を聞いてからより興味を持ち、ベランダで育てているハーブや野菜のためにもなると、購入を決めた。

現在、賃貸マンション暮らしのわが家で選んだのは、バッグ型のコンポスト。
コンパクトなデザインで臭い対策もしっかりしてあり、庭のある一軒家でなくても手軽にチャレンジできるものだった。

注文してから1週間ほどで、わが家にコンポストがやってきた。さっそくバッグの中に内袋をセットし、基材を入れる。
「どんな臭いがするのだろう?」「衛生的なのかな?」と正直不安もあったが、綺麗どころかもはやお洒落なバッグと、ちょっと懐かしい土のような基材の匂いに、期待が高まった。

コンポストが変えたのは、生ごみの量だけではなかった

それから、コンポストの世話は夫の日課となった。
毎朝早く起きて、前日に出た生ごみをコンポストに投入し、かき混ぜている。私の仕事は、毎度の料理で出る野菜の皮や切れ端を、コンポストが分解しやすいよう小さく切っておくくらいだ。料理で残った野菜の切れ端をつっこんでは、おいしく食べているぬか床と同じような感覚。

夫も私も、手間がかかっているとはまったく感じなかったが、それからわが家の生ごみはゼロになった。そしてなぜか、生ごみがゼロになっただけのはずなのに、1週間に2回出していた燃えるごみが1回で済んでしまうほどの量に激減したのだ。
と、同時に、プラスチックごみ箱にたまっていくプラスチックごみの量が目立つ。リサイクルしているとはいえ、こんなに捨てているとは。今までなんで気づかなかったのだろう……。
テレビなどで、「海にプラスチックごみが浮いていて、生き物が誤って食べてしまった」とか、「環境問題のために紙ストローに変えました」など、様々なニュースを目にしながらも、どこか実感のないまま過ごしていた。

今の自分ができることを無理のない範囲で続けて、意識までも変える

今このときも、間違いなく私たちの排出するごみによって、環境を汚染している。でもだからといって、今までの生活をすぐにやめるというのは難しい話だろう。
だからこそ、今の自分ができることを無理のない範囲ではじめてみる、無理なくはじめることによって続けられる、続けることがごみに対する意識や環境に対する意識までも変えていく。

そんな良い連鎖が、地球で暮らすすべての人のなかで起こったら、いつか環境問題は解決すると思う。
でも、地球がそれまで待っていてくれるかはわからない。だから、一人ひとりが心がけてることを友人や知人、そしてインターネットでつながっているたくさんの人にシェアするのはとても大事な気がしている。どこかで目に入る機会が増えるだけでも、みんなの当たり前に近づくからだ。

今後の目標は、設計中のマイホームが完成したら、庭に大きなコンポストを置くことだ。
肥料が完成したらそのまま畑にまいて、季節ごとの野菜を育てる。そんな未来にわくわくしながら、今2代目にやってきたコンポストのセットを始めたところだ。