早稲田の扉を叩いた、2013年3月末――。
紛れもなく、この日から、私の人生は変わった。

大学生活で色んな人と関わりたくて、インカレサークルを探した

大学入学を機に上京し、何となくバイトと学校の往復を繰り返し、呑気に過ごしていた大学1年生。寮に住んでいた友だちの、アカペラの練習に付き合った。

何これ。めっちゃ楽しそう。
そうよな、歌うって私めっちゃ好きだったじゃん。一生に一度の大学生活。楽しいこと、したくね?

そこから、アカペラサークルを調べまくった。自分の通っていた大学にもあったが、敢えてインカレにした。もっと色んな人と、色んな経験を持つ人と、関わってみたいと思ったから。
そこでヒットしたのが、私の寮に比較的近い、早稲田のインカレサークル。HPから、楽しそうなのが伝わってきた。その頃、新人ライブの映像もアップされており、全体合唱を観て、鳥肌がたった。
何これ。これじゃん。私がやりたいの。

残念ながら、その時は募集をしていなかったので、募集が開始される3月末まで、待って待って待ち続けた。

なるようになれと一歩踏み入れた時の感情は、今でも忘れない

そして、運命の日。

今まで違う大学に行ったこともなかったし、ましてや早稲田なんて入ったこともなかった。
しかも、私は新入生じゃない。入っていいのか?どうやって声掛けたらいいの?入れるの?ダメって言われたらどうしよう。場違いだよな、いやでも大学生活を変えたい。ええい、なるようになれ!!!!
この、一歩踏み入れた時の感情は、約10年経った今でも忘れない。
人混みに紛れながら、看板を持つ人が遠くに見えて、心臓が更にバクバクになった。
「あ、あの……」

この声を掛けた時から、私の大学生活は180度変わった。

今まで、アルバイトと大学の往復の生活だった私。沢山の友だちが出来た。沢山の先輩方と仲良くなることが出来た。本当に嬉しくて、目の前のことに追われる日々が新鮮で、楽しくて仕方がなかった。
アカペラも、みんなで歌う時間が好きで好きで堪らなくて、その為なら何でも頑張れた気がする。

あの一歩が、一声が出なければ、絶対に出会うことがなかった今の私

もちろん、沢山の挫折も、失敗もあった。
辞めたくなる時も、あった。
けれど、その経験から得た物の方が、私の中では大きい。
総勢100人を超えるサークルは、ある種社会の縮図みたいな組織だったし、そこで沢山のことを学んだ。
このサークルに入っていなければ、絶対学べなかったような、沢山の経験。
このサークルに入っていなければ、絶対に出会えなかった、沢山の人々。
大学4年の最後のサークルライブで、みんなで歌っている時。これまで感じたことのなかった感情が湧き上がった。

ここにいれて、よかった。
あの時の私、本当にありがとう。

私の宝物の3年間、本当にありがとうと、今でも本当にそう思う。
親にも言われる、「サークルに入ってから、貴女本当に変わったよね」。
本当にそうだと思う。
あの一歩が、あの一声が出なければ、絶対に出会うことがなかった今の私。
過ぎてみて更に思う。
「あの日の私、ありがとう」